3月期末は上場企業、未上場企業を含めて資金繰り悪化の話題が聞こえていたが、その中で波乱を呼んだのが格安海外パッケージツアー大手のてるみくらぶの破産。東京商工リサーチによると、負債総額は約151億円で、旅行業界では過去4番目の大型倒産になるが、旅行好きなら一度は利用したという方は少なくないと思う。筆者の場合は、ネットで現地のホテルに直接予約、航空券も直接購入することが多いが、パリの地下鉄で移動中に襲われた経験もあるので、ツアーで添乗員の案内があるのは行動が制限される半面、安心感が格段に高まるメリットがある。ツアー会社には絶大な信頼を寄せて予約するのだから、今回のように破綻でホテルに宿泊できなくなったりする事態は、ツアー業界全体の信用失墜という意味でも嘆かわしいことだ。今回のような被害を防ぐには、安過ぎるツアーは警戒するなどの防御策が必要ながら、一般の旅行者の立場で判断するのは難しい。ツアーのみならず通販を含めて一年を通じて様々なトラブルは多いが、業界としての監視体制の強化も必要だろう。
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