【潮流】岡山 憲史~外人は地勢学リスクを利用して「円高・株安」を誘発

潮流|株式市場新聞

日銀総裁も本質的な問題点に言及

4月7日の米国軍によるシリアミサイル攻撃から地政学的リスクが急速に高まった。
ただ、今回のシリアや北朝鮮問題で最も悪影響を受けているのが日本である。ミサイル攻撃のニュースを受けた7日の日経225先物は約300円急落下後、一気に戻してプラスで終えた。外国人投機筋が「円買い・225先物売り」のプログラム売買を拡大させて急落させ、その後に反対売買を行って決済したのだ。しかし、7日の米国株式市場は前日比変わらずで終えており、地政学リスクなど関係なしといった状態である。
米国株の急落をもたらさない状況から、今回の下落はトランプ政権の経済政策期待の後退によるポジション調整の売りが海外投資家を中心に継続している中で、ボラティリティの上昇が期待できる地政学リスクを利用し、投機の「円買い・225先物売り」を誘発して急落となった。ただ、イエレンFRB議長は経済のファンダメンタルズが改善していることを改めて示した。日本の金融政策や財政政策、世界的な投資モメンタム改善などから、どう考えてもこれ以上の下げ余地は乏しい。
13日に日経平均が1万8300円まで売られたことで、概ね下落も最終段階とみて良いだろう。今回の下げは逆に投資の好機である。日本の株式市場は既にシステムトレードが取引の約65%を占めるため、フラッシュ・クラッシュ(株価急落)が頻繁に起こり、価格変動のボラティリティが短期的に大きくなっている。毎日、外国人投機筋の「ドル円と225先物」のプログラム売買で株価が乱高下し、個人投資家が入り込む余地がない。今後、投機筋が「円売り・225先物買い」のプログラム売買を拡大して日経平均が戻しても個人投資家は既に株を買う意欲を失っている。
個人投資家の減少が続く日本株式市場に明るい未来はない。アルゴリズムシステムを利用したプログラム売買で市場をかく乱させている外国人投資家には憤りを感じる。13日、黒田日銀総裁は講演でアルゴリズム取引について「市場のボラティリティを過度に高めるとの見方ある」。高頻度取引についても「市場参加者の多様性が失われるとの見方がある。新技術の応用が市場に及ぼす影響を注意深くフォローする」と述べた。ようやく日銀総裁が株式市場の本質的な問題点に言及した意味合いは大きい。
潮流銘柄は日本M&Aセンター(2127)、、鎌倉新書(6184)、ファイズ(9325)。

 

 

 

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて約1万人の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催、
ゴールドマン・サックス投信・クレディスイス投信・野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、
プロの運用担当者などを含む1万人以上の参加者を集めて実施。
コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)は日本株式市場がバブル後最安値を付けに行く最悪の環境にもかかわらず、
1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に殖やすという脅威の成績をあげ文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2ヶ月間で1億円の資金を2億1600万円に増加させ、6位入賞。
1999年12月8日にマーケットバンク設立。17年以上にわたって株式投資で安定した高パフォーマンスを継続して出すことのできる
画期的な運用手法とサービスを提供している。

2002年1月にNHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
直近では2017年1月に始まった夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
1ヶ月間で3銘柄の合計パフォーマンスを競います。最終のパフォーマンスは155%と断トツの結果。
週刊現代、週刊ポスト、夕刊フジ、ネットマネー、月刊カレントなど幅広く執筆活動を行っている。

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