【潮流】岡山 憲史~ 米国株の過去最高値はFRBの功績

潮流|株式市場新聞

安倍・黒田体制維持なら下がる理由ナシ

7月26日の米株式市場でダウ工業株30種平均、ナスダック総合株価指数、S&P500種株価指数が揃って過去最高値を付けた。米株式市場は2008年のリーマンショック後の安値を付けたのが2009年3月でその時のダウ平均は8489ドルである。現在は2万1742ドルで安値から2.5倍になった。
日経平均もリーマンショック後の安値からは2.5倍超に上昇しているが、1989年の過去最高値(3万8915円)の半値、現在の株価は30年前の水準だ。米国は株式本位制である。経済を疲弊させずに景気浮上を維持するために株価を上昇させる政策を取っている。その舵取り役を担っているのが米連邦準備理事会(FRB)だ。米国の景気回復はFRBの流動性供給の影響が大きい。26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、量的金融緩和で膨らんだ保有資産については現行の再投資政策を続けることを決めた。声明では「経済がおおむね予測どおりに進展するなら、バランスシートの正常化を比較的早期に開始する」とし、9月会合で縮小開始を決める可能性を示唆した。
ただ、バランスシート縮小が景気悪化に繋がると考えてしまうのは短絡的過ぎる。マネタリーベースが縮小しても、中央銀行に積み上っている貨幣が国債や他の有価証券投資に振り変わるだけであり、それは流動性の大幅な回収ではない。流動性選好が後退し、信用乗数が改善してきているなら、マネタリーベースを縮小しても実体経済への悪影響は避けることができる。逆にFRBのロールの調整レベルなら、信用乗数が改善するだけであり、それは流動性選好状態が大きく改善している事を同時に意味している。
つまり、金融正常化は、流動性縮小の動きとはまったく意味が違うのだ。仮にFRBのバランスシート縮小が過去の日本銀行のように強烈な資産売却による流動性の大幅な回収であれば、再び流動性選好が高まる可能性はある。しかし、ロールの調整によるバランスシートの縮小で、しかも慎重に行なうのであれば、それは流動性回収でも何でもない。中央銀行が支えていた要因が民間に置き換わるだけの話なのだ。日本は黒田日銀総裁体制になってようやくまともな金融政策を行っている。今後も安倍政権と黒田日銀金融政策が維持されるなら日本の株価は下がる理由がない。
潮流銘柄は石光商事(2750)、ユーザベース(3966)、 ムトー精工(7927)。

 

 

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて約1万人の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催、
ゴールドマン・サックス投信・クレディスイス投信・野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、
プロの運用担当者などを含む1万人以上の参加者を集めて実施。
コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)は日本株式市場がバブル後最安値を付けに行く最悪の環境にもかかわらず、
1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に殖やすという脅威の成績をあげ文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2ヶ月間で1億円の資金を2億1600万円に増加させ、6位入賞。
1999年12月8日にマーケットバンク設立。17年以上にわたって株式投資で安定した高パフォーマンスを継続して出すことのできる
画期的な運用手法とサービスを提供している。

2002年1月にNHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
直近では2017年1月に始まった夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
1ヶ月間で3銘柄の合計パフォーマンスを競います。最終のパフォーマンスは155%と断トツの結果。
週刊現代、週刊ポスト、夕刊フジ、ネットマネー、月刊カレントなど幅広く執筆活動を行っている。

 

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