「転ばぬ先のテクニカル」~過去10年の下落率の検証

転ばぬ先のテクニカル|証券市場新聞

日経平均は膠着相場を下に放れて3営業日が経過しました。6月20日高値の2万0318円高値から昨日の安値1万9486円まで4%下落となりました。今年は年始から大きな調整局面が起こっていません。押し目らしい押し目は3月高値の1万9668円~4月安値の1万8224円まで1444円幅、7.3%押しにとどまっています。

さて、ここで過去10年のそれぞれの調整局面の下落幅と下落率を並べてみましょう。

07年2月高値1万8300円~11月安値1万4669円 3631円幅 19.8%

08年1月高値1万5156円~3月安値1万1699円 3457円幅 22.8%

08年はリーマンショックにより6月の戻り高値1万4601円~10月安値6994円まで7607円幅 52%のイレギュラー下落が起こりましたが、これは除外します。

09年8月高値1万0767円~11月安値9076円 1691円幅 15.7%

10年4月高値1万1408円~8月安値8807円 2601幅 22.7%

11年2月高値1万0891円~3月安値8227円 2664円幅 24.4%

12年3月高値1万0255円~6月安値8238円 2017円幅 19.6%

13年5月高値1万5942円~6月安値1万2415円 3527円幅 22.1%

14年1月高値1万6164円~4月安値1万3885円 2279円幅 14.0%

15年6月高値2万0952円~9月安値1万6901円 4051円幅 19.3%

16年1月高値1万8951円~3月安値1万4865円 4086円幅 21.5%となっており、平均下落値幅はちょうど3000円、平均下落率は20.2%です。

下落値幅は水準が切りあがれば当然大きくなりますので参考程度ですが、下落率は最少が14%、最大が24.4%、平均が20.2%です。本年3~4月の7.3%や足元の4%下落ともどもまだ調整というよりも押し目という下落率です。6月20日高値からそれぞれの下落率を当てはめて計算すると、最少の場合が1万7473円、平均が1万6213円、最大が1万5360円です。

日経平均採用銘柄の現在のEPSが1413円に上昇しており、最少の場合でPERは12.3倍、最大の場合では10.8倍となってしまい現実的ではありません。北朝鮮と米国とのドンパチが本当に起こってしまった場合の目安くらいの参考値にとどまります。昨年のブレグジット下落の局面で一時13倍割れがありましたので、通常ならば18300円くらいでしょう。

ただ、毎年20%平均の下落が起こっていることは事実であり、高値から10%押しの1万8300円は起こっても全く不思議ではないということを忘れてはいけません。

日々勇太朗

 

証券市場新聞 https://marketpress.jp/

 

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