エヌビディアの決算発表が刺激
5月第4週の東京市場は経済産業省が対中国を意識した半導体分野の輸出規制を公布したことを受けて23日の後場から急落する場面があったが、その後はエヌビディアが決算発表で市場予想を上回る強気な見通しを発表したことが刺激となり、ナスダック指数の大幅高とともにアドバンテスト(6857)や東京エレクトロン(8035)など半導体製造装置の主力株が急騰し、26日には続伸で日経平均は3万916円31銭で引けている。
世界的な半導体需要増を期待
半導体分野の輸出規制は4月の時点で告知されていた内容だが、22日までで日経平均は8日続伸となり、短期間で3万1000円まで駆け上がってきたことから、海外の投機筋には今回の公布は格好の売り仕掛け材料となったようだ。この公布で半導体製造装置関連企業の業績が急激に悪化する内容ではないことから、エヌビディアでのAI需要増が確認されれば、それによる世界的な半導体需要増を期待して強烈な買い戻しが入った。
売り方の買い戻しが踏み上げ相場に
因みに日経平均の週末続伸の主役であるアドバンテストの信用残は買い58万2100株に対して売り105万1800株と買い残のほほ倍の売り残を抱えていた。エヌビディアの材料表面化後に売り方の買い戻しが踏み上げ相場に繋がったようだ。
日米が協力タッグで先端半導体を開発
米国を訪問中の西村経済産業大臣は26日、レモンド商務長官と会談し、先端半導体の技術開発に向けて、新たに工程表を策定することなどを柱とした、2国間の共同声明が発表された。日米が協力タッグで先端半導体の開発を推進する内容を受けて、今後も日本の半導体関連株に海外の資金が流入することになろう。
ナスダック指数が一気に1万3000ポイントに乗せ
そのような中で週末26日のニューヨーク市場ではナスダック指数が2.19%の大幅続伸となり、一気に1万3000ポイントに乗せてきた。債務上限問題の進展を受けてダウも328.69ドル高と反発し、ナイトセッションの日経平均先物は540円高の3万1500円と高値を更新している。これを受けて29日の日経平均は23日に付けた3万1352円53銭のバブル後高値を更新する可能性が高そうだ。
債務上限問題決着に期待
債務上限問題についてイエレン財務長官が資金が枯渇するⅩデーを当初の6月1日から6月5日に先延ばしした。米メディアによると、その後、交渉は合意したと報じており、下院と上院それぞれで可決すればダウの本格戻りが期待できる。
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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