過度な為替警戒薄れる?
8月最終週の東京市場は28日のエヌビディアの5~7月期決算待ちで膠着感の強い動きになったが、日経平均では3万8000円を下値に比較的堅調な動きとなった。
注目されたエヌビディアの24年5~7月期決算は売上高が前年同期比2.2倍、純利益は同2.7倍の165億9900万ドルと市場予測を上回った。8~10月期の売上高見通しも市場予想を上回ったものの、物足りない予想ということで決算発表後のエヌビディアへの利益確定売りが東京市場のハイテク株売りに繋がった。
米経済はソフトランディング期待
29日には24年4~6月期の米GDP改定値が前期比年率3.0%増と速報値の2.8%増から上方修正され、週間の米新規失業保険申請件数は前の週から小幅に減り、市場予想とほぼ一致した。これを受けて9月にFRBが0.25%か5%の利上げに動くと見られるなかで米経済がソフトランディング(軟着陸)できるとの期待が株価の下支えになった。
NYダウは連日で最高値
7月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前月比で0.2%上昇し、市場予想に一致。食品とエネルギーを除くコア指数の前年同月比の上昇率は2.6%と市場予想の2.7%をやや下回ったことから利下げが経済を支えていくという先行きへの楽観的な見方が拡がり、週末8月30日のニューヨーク市場は前日比228.03ドル高で引け連日で最高値を更新、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も3日ぶりに反発した。これと連動して225先物のナイトセッションは3万9060円で引けており、週明け2日の日経平均は3万9000円回復でスタートしそうだ。
米8月雇用統計を注視
今週は国内外とも目立ったイベントはなく、海外では3日に米8月ISM製造業景況指数、6日に米8月雇用統計が予定されており、8月雇用統計雇用統計が最大の関心事になる。9月17日~18日の次回FOMCでは0.25%利下げとの見方がコンセンサスだが、仮に8月雇用統計が下振れ内容となればれば、0.5%利下げの可能性が高まってくる。その場合はドル売り・円高の流れとなりハイテクなど輸出系下落の可能性になることには頭の片隅に入れておきたい。
為替については1ドル144円台後半での推移となっている。暴落時に付けた141円66銭からは落ち着いた動きで、ハイテクでは太陽誘電(6976)やTDK(6762)、村田製作所(6981)などが底打ちの動きになりつつある。過度な為替への警戒が薄れれば9月中間期末へ向けて好実態銘柄の見直しは進むかも知れない。
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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