ウクライナ侵攻前の水準
先週の日経平均は前週末比約1322円高と2週連続週足陽線となった。9日連続上昇は2019年9月以来、2年半ぶりである。
3月9日の安値(2万4681円)から25日の高値(2万8338円)までの上昇幅は3657円となりロシアのウクライナ侵攻前の水準まで戻した。
機関投資家が慌てて買い戻し
ウクライナ問題は依然、停戦協議も進まないがロシアとNATO軍、米国との直接衝突はないとの見方で過度の警戒感が後退し買戻しが更なる買いを呼ぶ上昇となっている。
日本は3月期末を控え機関投資家がポジション調整で落とし過ぎた株を慌てて買い戻しをしている感じがする。
期末の配当金の再分配で約1兆円
期末の配当金の再分配で約1兆円の買い需要があると言われていることも先回り買いが入る要因であろう。
また、米国の金利引き上げ、「有事のドル高」により円安が大幅に進みハイテク株が買われていることも日経平均上昇に寄与しているようだ。
円安はプラスとは言い難い
だが、今や円安は輸入大国日本にとってプラスとは言い難い。
総務省が発表した3月の東京都区部の消費者物価指数は前年同月比で0.8%上昇と2年3ケ月ぶりに大きさとなっている。
買戻し一巡後は?
こんな中、直近の円安は更に輸入物価の上昇となり企業業績に大きく影響を与えてきそうである。
この2週間は急激な買戻しで本来悪材料も無視して上昇したが買戻し一巡後は冷静に株価水準を探る展開となると思われる。
上値抵抗ライン目前
チャートでは200日移動平均線(2万8275円)を一旦は抜いたが急激な上昇のため、一旦達成感がでて引け値では割れて引けている。
週足では昨年9月の高値(3万0795円)を起点とする上値抵抗ライン(2万8500円処)を目前にとなっている状況である。
この上値トレンドラインを明確に抜けてくると右肩下がりのトレンドが終了するため非常に注目されるポイントであろう。
4番目の窓程度までの調整も
今週は3月権利付きの最終週となりまだ買えていない投資家や期末特有のドレッシング買いも期待され前半は堅調な相場を予想するが買い需要が減少する権利落ち後の相場には注意が必要である。
現在、この上昇時に付けた「窓」は4空状態、4番目の窓(2万7284円で窓埋め)あると思われる。
今週のレンジは?
今週のレンジは2万7200円~2万8500円を想定。SQ狙いとしてアウトオブマネーのプット売りとヘッジの先物売りでポジションを組んでいきたい。
(ハチロク)
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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