約7割の企業でアナリストの予想を下回る
先週の日経平均は前週末比約483円安と3週間ぶりに週足陰線となった。
2週間で約3000円上昇した反動であるが大幅に下げて寄り付いても戻すパターンで下値での買い意欲は感じ取られた週であった。
だが、四半期決算が発表されている米国で約7割の企業の業績がアナリストの予想を下回る状況となっていることは要注意である。
スタグフレーション懸念
1日に日銀が発表した3月の短観でも大企業製造業の景況感が7期ぶりに悪化した。資源高と円安で原材料の調達費が上昇し企業業績が落ち込んでいるのである。
今の円安は企業業績を悪化させさらにガソリンや電気、ガスなどの価格も上昇し個人消費にも影響を与えている。今の円安傾向はスタグフレーションを起こしかねない「悪い円安」なのだ。しかし、株式市場は「円安だから買われる」との解釈が多いがその認識は変えたほうが良いと思われる。
日本株は消去法的な買い
米国が金利引き上げを進める中で日銀は従来通りの金融緩和政策を取り続けるおり円安傾向は続くと思われるが株価はそれで上昇はしないだろう。グローバル運用をしている者がロシアと中国を外した資金で日本の組み入れを増加させる可能性はあるがあくまで消去法的な買いであって積極的な買いではない。
経営者のマインドも慎重
ウクライナ問題でコロナ後の景気回復が読みにくくなってきており経営者のマインドも慎重になろう。アナリストが予想した企業業績の数字以下では市場の上値も重くなろう。
上値は重いが下値も固い
チャート的には200日移動平均線(2万8249円処)で頭を押さえられた形である。この水準は2021年9月の高値(3万0795円78銭)を起点とした上値トレンドラインであり売りが出やすい水準である。ウクライナ問題での売りの買戻しは一巡したと思われるがまだ買えてない投資家も多く下値での買い余力は十分あると思われる。
この状況で売り仕掛けもしにくいと思われ今週は「上値は重いが下値も固い」展開になると予想する。
今週のレンジは?
下値は一目均衡表の雲の上限(2万7582円処)が意識されているようで2万7500円割れでは下げ渋る可能性がある。引け値で割れてくると窓埋め(2万7284円)が意識されよう。
一方、上値抵抗ラインは下降する5日線(2万7942円処)、節目の2万8000円、200日移動平均線(2万8249円処)となろう。
今週は2万7200円~2万8200円を想定する。
(ハチロク)
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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