荒れた米国市場
先週の日経平均は前週末比約156円高、週足陽線となった。
先週の日本株は2日間の立ち合いであったが日本が休場の時に米国市場は荒れた。
荒れた要因は米FOMCでFRBが金利を0.5%引き上げると発表したことにある。
通常は0.25%づつの利上げだが今回は22年ぶりの0.5%利上げである。
やはり利上げのペースは速そう
3月の消費者物価指数は前年同月比で8.5%上昇、米国のインフレ率が40年ぶりの水準まで高まっている。
なだらかなインフレではなく急激なインフレを本気で抑えるというFRBの姿勢である。
FOMC後は市場は0.75%の引き上げも想定していた為一旦は上昇で反応したがやはり利上げのペースは速そうだとの認識から木曜日には再び大幅安となった。
新興国や発展途上国の経済から目が離せない
FRBは金融緩和を従来の速さの2倍速で縮小する。その際に更に金利は上昇し企業や個人、そして新興国にも影響は大きいであろう。
基軸通貨の引き締めは低利のドルを大量に借り入れている新興国は利払い負担が増大し財政負担に陥る懸念もある。
スリランカでは早くもデフォルトリスクが高まっており新興国や発展途上国の経済から目が離せない状況になってくるだろう。
生活必需品の価格上昇はインフレを強く促す
個人的には日銀もFRBもロシアのウクライナ侵攻の影響を過少評価していたことが要因であると思われる。
ウクライナ問題は長期化することが確実となってきており資源価格の高騰も継続されるだろう。原油、瓦斯、小麦など生活必需品の価格上昇はインフレを強く促す。
円安でも反応しなくなったとき
米国との金利差を考えると今後は円で資金を調達しそれ以外の通貨の商品で運用する「円キャリートレード」も増加してくるだろう。円安材料には事欠かない。
市場が混乱する中で一旦の受け皿として日本株が買われることもあるが上値の重い展開は続きそうだ。
市場では「円安は株高」の反応となっているが円安でも反応しなくなったときの「日本売り」には注意したい。
「売られれば買うが戻りは売る」展開
今週は5月限のSQ週である。
連休を控えていたのでSQに向けての建玉はそれほど多くない。SQ絡めての動きというよりは本格化する決算発表企業の個別物色となると思われる。
「売られれば買うが戻りは売る」展開を想定、相場のレンジは26500円~27500円を予想する。
(ハチロク)
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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