突っ込めば買うが短気勝負
先週の日経平均は前週末比約556円安と反落した。
週初は前週の流れを引き継ぎ戻りを試す展開となったが2万7000円台に乗ると戻り達成感がでて売りに上値を抑えられた。
買いが止まると一気に1000円強下がるところが相場の不安定感を強めた。
結局、26週線(2万7013円処)で頭を押さえられた形となり「突っ込めば買うが短気勝負」といった感じである。
背景にあるのは米国の景気後退に対する強い警戒感がある。
上半期は記録ずくめ
今週より今年下半期の相場入りとなるが上半期は記録ずくめの市場であった。
商品市場では国際商品の総合的な動きを示すCRB指数が1月~6月に29%上昇、これは2008年の上半期に並ぶ上昇率となる。
また、欧州ガスは2005年以降最大の98%上昇、米国ガソリンも13年ぶりに72%上昇した。
更に米国10年債は38年ぶりに1.6%上昇、日米の金利差の影響で円相場は40年ぶりに6ヶ月で22円の円安となった。
景気後退の落ち着きどころを探っている途中
株式市場においても世界株価指数は1988年以降最大の18%下落、S&Pは52年ぶりの20%安である。
この間、日経平均は8.3%安ではあるがドル建て日経平均は30年ぶりの23%安である。
新型コロナウイルス対策としてばらまかれた資金によって「コロナバブル」が世界各国で発生したがロシアによるウクライナ侵攻により資源価格が高騰、インフレが想定以上に進んだ。
インフレを抑制するために各国が金利引き上げに転換したが景気後退は必至でありその落ち着きどころを探っている途中である。
「コロナバブル」の崩壊は始まったばかり
金融緩和策を継続している日本でも生活必需品を中心に物価上昇は急ピッチである。日銀が発表した6月の短観でも大企業製造業の業況判断指数は2期連続で悪化し市場予想よりも下回っている。
「コロナバブル」の崩壊は始まったばかりであり底が見えるのはまだ時間がかかりそうである。
戻りの鈍い展開か?
今週の相場は引き続き戻りの鈍い展開を想定する。8日にはETFの分配金捻出のための換金売りが約1兆円でると予想されておりそれに向けた仕掛け売りも出そうだ。
また、8日には米雇用統計が発表される予定で週末にかけて警戒感は強まりそうだ。
今週のレンジは?
上値メドとして上昇する転換線(2万6452円処)、雲のねじれ帯(2万6700円処)が抵抗ラインとして挙げられよう。
一方、下値は先週安値の2万5841円、割れてくると6月20日の安値(2万5520円23銭)を試す展開となろう。
今週のレンジは2万5700円~2万6700円を想定する。
(ハチロク)
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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