政策金利の到達点がはっきりした
先週の日経平均は前週末比約373円安と反落、週足陰線となった。
注目の米FOMCは事前の予想通り0.5%の利上げとなったがその後のパウエル議長の発言で利上げは続くとされ株式市場は売られた。
今回の利上げで政策金利は4.25%ー4.5%になったがFOMCでターミナルレート(政策金利の到達点)は5.1%前後という点がはっきりしたことにより今後の株式市場の焦点は米国景気に移った。
労働市場で賃金上昇が継続
前回まではCPIなどの数字が前回より悪ければ引き上げ幅縮小を期待して株式市場は買われていたが今回は米11月小売売上高が低調と発表されると株価は大きく売られた。
市場を左右する要因が今回のFOMCで大きく変わったということである。
低下傾向といえどCPI(消費者物価指数)やPPI(生産者物価指数)は高水準であり何よりも労働市場で賃金上昇が継続している。
経済指標で良い数字は望めそうにない
米国の利下げは労働賃金が下がってきてからということになりそうである。
市場の関心が経済ということになれば当面は米国の経済指標で良い数字は望めそうにない。
日本株は米国株次第
なら、日本株にと期待したいところだが過去239ケ月でダウ平均が前月比で2%以上下落した月は計50回あるがそのうち外国人が日本株を買い越したのは14回しかない。
つまり、日本経済に大きな期待がない限り米国株が上昇しないと外国人買いはないということである。
よくも悪くも日本株市場は米国株市場次第なのである。
今週からは相場が軽くなる
米国市場は先週末、クワドルブル・ウィッチング(株価指数先物取引、株価指数オプション取引、個別株先物取引、個別株オプション取引の期限を迎える日)を迎え今週からは相場が軽くなる。
更にクリスマス休暇に入り投資家も多く参加者は減少するであろう。そうなれば仕掛け的な動きもやりやすくなるのでボラティリティは高くなると思われる。
下値抵抗ラインを割ると?
日経平均は先週、13週移動平均線(2万7396円処)や52週移動平均線(2万7362円処)を下値抵抗ラインとして意識されて推移してきたがこの水準を割ってくると下値を試す展開が想定される。
下値メドは?
下値メドとしては一目均衡表の雲の下限(27140円処)、その下週足一目均衡表の雲の下限(27000円処)、売り勢いが強ければ10月17日の窓埋め(26814.92円)があげられよう。
今週のレンジは?
先週の下落でボリンジャーバンドが拡大してきており-3σ(2万7302円処)を意識した展開になることも想定する。
今週のレンジは2万6800円~2万7800円を想定。指数は弱め、個別株物色となろう。
(ハチロク)
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