「山高ければ谷深し」
先週の日経平均は前週末比約2万396円安となり2週連続週足陰線となった。
6月からの上昇分(約4470円)を2週間で帳消しにした。
まさに「山高ければ谷深し」である。
背景には上昇の原動力であった円安トレンドが反転、急激に円高へ動き出したことが大きい。
また、米国のハイテク株が軟調に推移していることも大きく影響した。
PBR1.5倍を超えで調整が入る
日経平均に於いては6月からの上昇が実力以上に買われていたため、その分がはげ落ちただけという見方もできる。
みずほ証券によると日経平均はPBR(株価純資産倍率)1.5倍が上値メドとして推移してきたようだ。
リーマンショック以降のチャートをみるとPBR1.5倍を超えてくると調整が入っている。
ROEの上昇が必要不可欠
この動きはROE(自己資本利益率)の推移ともリンクする。
ROE8%以下の企業はPBR1倍割れが多いが8%超えてくるとPBR1倍を超える企業が急激に多くなる。
つまりROE8%が投資対象企業の選別ラインともいえる。
ROEが上昇するにつれPBRも上昇する傾向だが期待先行で株価が買われ過ぎになるケースがある。
それが今回の6月からの上昇であった。PBR1.57倍まで買われて調整局面に入り現在は1.43倍である。
PBR1.5倍を超えても継続的に買われるには全体的にROEの上昇が必要不可欠であるということだ。
やはり、個別企業の更なる企業努力が求められる。
金融政策正常化を強調すれば円高に拍車
さて、今週は注目の1週間となろう。
30日~31日に日銀金融政策決定会合が開かれFOMCも同日に開催される。
FOMCでは今回は据え置き、9月に金利引き下げのアナウンスが濃厚、日銀も利上げこそしないが現在行っている国債買い入れを6兆円から減額すると発表することがコンセンサスだ。
日銀の金融政策正常化を強調すれば円高に拍車をかけることになり株価は更に下値を試しに行く可能性も高い。
乱高下が予想される週
そもそも8月は米国債の利払いにより円高になりやすい月でもある。株価もアノマリー的には8月が1年で一番パフォーマンスが悪い月である。
相場が安定している時ならばイベント通過で上昇する場面も想定できるが荒れている状態では下値の警戒は必要である。
下値メドは4月の安値(3万6733円)が意識されよう。5日移動平均線(3万9256円処)を明確に抜けてくるまでは戻り売り優位は続こう。
今週のレンジは3万6700円~3万9000円を想定する。乱高下が予想される週である。
(ハチロク)
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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