PBR1倍は意識されている
先週の日経平均はトランプ氏の対中関税「第4弾」により週初は安く始まったが6日の安値(2万110円76銭)を割り込まなかった事もありその後は戻りを試す動きとなった。
26日の安値は2万173円76銭でありやはりPBR1倍(2万200円)処と言うのはやはり意識される水準である。最近話題なのが裁定取引の売り残が過去最高水準になっているということである。
裁定解消時には行き過ぎる傾向
裁定取引の売り残や買い残は現物株と先物の価格差に着目した取引で生じ、金利を考慮した先物価格が現物株に比べ割安だと見れば先物を買って現物を売る。その結果裁定取引の売り残が増加するのだ。
直近で売り残は1兆6293億円と4週連続で過去最高水準を更新している。裁定取引自体は相場にはニュートラルであるが裁定取引の解消されるときに行き過ぎる傾向がある。大暴落の背景には必ずこの裁定取引の買い残が多いときに起こっている。
裏を返せば・・・
裏を返せば金利等が上昇傾向にあるときは今回は売り残の解消で以外高する可能性があるということだ。
9月のFOMCで金利の引き下げが確実視されているが下げ幅によってはこの裁定取引の解消を誘発する可能性もあろう。相場はまだ「風説の流布」ともとれるトランプ氏の発言で右往左往するかもしれないが相場自体は「売り飽き」モードに入ってきているようだ。売りのピークは過ぎたように思われる。
チャート的にはボリンジャーバンドが急速に収斂しており動きにくい展開が想定される。現在、△2σが2万917円、▼2σが2万250円処。上値は2万900円台に半値戻り(2万966円)や基準線(2万966円)がありどうやらこのあたりで一旦抑えられそうだ。
「売り飽き」による買戻しを期待
その上は雲の下限(20100円処)が抵抗ラインとなろう。下値は転換線の2万456円処、金曜日開けた窓を一旦埋める(2万520円68銭)かもしれないが意識される下値ラインであろう。その下は2万250円処が意識されよう。
今週は「売り飽き」による買戻しを期待したい。
(ハチロク)