安全対策をいかに国民にアピールするか?
岸田文雄首相が原子力発電所の新増設について検討を進める考えを示したことがマーケットでも話題になっている。ロシアによるウクライナ侵略を契機に世界的にエネルギー問題が深刻化するなかで、脱炭素を実現する意味でも、原発を存在が改めてクローズアップされた格好だ。ただ、東京電力福島第一原発事故以来の大きな政策転換となるだけに、安全対策をいかに国民にアピールするかが重要になる。その意味でも関連銘柄は中期的にクローズアップされそうだ。
原発の再稼働を手始めに・・・
岸田首相は脱炭素の実現について議論するGX(グリーン・トランスフォーメーション)実行会議で「原発再稼働に向け、国が前面にたってあらゆる対応をとる」ことを表明した。あらゆる方策について年末に具体的な結論を出せるよう検討を加速していくとしており、現在休止している原発の再稼働を手始めに、新増設に向けた具体的な動きが加速していきそうだ。
最大9基の原発再稼働
まずは最大9基の原発再稼働が優先されるが、この9基は関西電力(9503)、四国電力(9507)、九州電力(9508)の3社の管内に点在している。再稼働となればこの3社の収益改善が予想されるが、メンテナンスで発電用バルブの岡野バルブ製造(6492)、核燃料の輸送容器や濃縮関連機器などを手がける木村化工機(6378)、配管や貯槽タンクなどを手掛ける高田工業所(1966)などが重要視されよう。
革新軽水炉や高温ガス炉など
既存原発の再稼働の先には次世代型原発の建設議論が高まろう。次世代型は安全性やエネルギー効率の向上が見込める新技術を採用。既存技術をベースに炉心溶融対策などを強化した「革新軽水炉」や出力を従来型原発より小さくした「小型モジュール炉(SMR)」、水でなくヘリウムガスで冷却するため水素爆発の恐れがないとされる「高温ガス炉」などが採用される可能性がある。原発の小型炉や核融合炉に関する試験を受託する助川電気工業(7711)や新規建設となるとやはり、あらゆる面で実績豊富な三菱重工業(7011)の存在が需要となる。
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