12月相場最大のイベント
ソフトバンク(9434)が12月19日に東京証券取引所に上場する。現時点での想定価格を元にした時価総額はおよそ7兆1800億円と今年最大規模の公開企業となるうえ、市場から調達する資金はおよそ2兆6400億円超と1987年に上場したNTT(9432)の公開当時である2兆2000億円を上回り、過去最大規模になる。ソフトバンクグループ(9984)の中核会社として移動/固定通信事業を展開する同社の初値形成は12月相場最大のイベントとなる。
個人消費者に直結する内需株としての評価
ソフトバンクは携帯電話を展開する通信キャリアとしては顧客数(契約数)でNTTドコモ(9437)、KDDI(9433)に次ぐ3番手ながら、他社に先駆けて国内で米アップル社のiPhoneの取り扱いを開始、ワイモバイルを吸収合併して格安スマホを逸早く展開するなど常に業界ではチャレンジャー的存在となっていた。親会社のソフトバンクグループは今や投資会社としての色彩が強く、日経平均の主要構成銘柄として東京市場ではある意味で特別な存在ながら、子会社のソフトバンクは個人消費者に直結する内需株としての評価になる。
上位株主は主要役員で大半を占める
ブックビルディング(抽選申込期間)の期間は12月3日から7日まで。今年6月公開で大型上場と言われたメルカリ(4385)や2015年公開の郵政グループ3社の応募倍率の高さを考慮すれば、ソフトバンクという知名度の高さからも2兆6400億円超という資金調達を懸念する必要はないだろう。加えて、ソフトバンクの上位株主は孫正義氏を筆頭にグループ会社の主要役員で大半を占めており、新規公開企業に付きまとう投資ファンドなどによる利益確定売りへの不安はない。
独自の成長戦略を打ち出せるか?
業界的には携帯電話料金の値下げ圧力が強いなかで、NTTドコモ(9437)やKDDI(9433)、新規参入を予定している楽天(4755)と異なる独自の成長戦略を打ち出せるかが上場後の株価上昇のカギとなりそうだ。
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