小売セクターは利益率向上が今期の課題
名実ともに新年度に突入し、2月期企業を皮切りに通期決算の発表が本格化する。2月期決算企業の多くを占める小売セクターについては、インバウンド需要を享受できた半面、豪雨などによる天候不順、特に関西地方を中心に大阪北部地震や台風21号による関空被害の影響を受けたうえに、人材不足に対応した時給アップなどのコスト増に悩まされた。これらの難題を克服して今2020年2月期は、利益率を向上させた上での収益拡大戦略を推進できるかに注目が集まりそうだ。
あさひは上振れ期待
2月期決算発表は1日にあさひ(3333)、しまむら(8227)、11月期の第1四半期決算で象印マホービン(7965)から始まり、2日に西松屋チェーン(7545)、4日にアダストリア(2685)、セブン&アイ・ホールディングス(3382)が控えている。あさひに関しては昨年7月以降、単月ベースでの前年同月比増収が続いており、既に第3四半期の営業利益が46億4300万円と通期の41億2000万円を上回っている。上振れが濃厚なうえ、ネット通販は安定的に拡大していることから20年2月期も増収増益予想が期待されそう。
カジュアルチェーンは既存店対策が焦点
象印マホービンは中国に景気減速が炊飯器需要にどう影響してくるかが注目点。アダストリアは2月までの通期累計の既存店で前年同月比0.4%減、カジュアルチェーンは既存店が伸び悩んでいるところも少なくなく、今後の店舗戦略をどう打ち出してくるかが注視される。
コンビニは24時間営業継続できるか?
加えてセブン&アイHDは、セブンイレブンの24時間営業が人手不足などで過渡期に来ていることが懸念される。24時間営業を継続させるべく、コンビニオーナーへの支援を強化するのか、それとも深夜休業を許可するのか?どちらにしてもコスト面での利益圧迫が懸念材料となろう。
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