調達額は史上最大規模
東京市場では10日からIPOラッシュが始まるが、海外では世界の投資家から超大型IPOとして熱い視線が向けられているのがサウジアラビア政府によるサウジアラムコの上場だ。各報道によれば国内市場で公開される株式は全発行済の1─2%で、調達額では256ドル程度。これは中国の電子商取引大手アリババが2014年のIPO時に調達した250億ドルを上回ることになり、史上最大規模になる。国内IPOが成功すれば世界の主要市場でのIPOも期待される。
エクソンモービルお約7倍の時価総額
11日から国内取引が開始される国営石油会社サウジアラムコの時価総額はムハンマド皇太子が約4年前に掲げた2兆ドルを下回ると見られているが、約1兆ドルで世界最大とされる米マイクロソフトを抜くのは確実で石油メジャーでは最大であるエクソンモービルお約7倍の時価総額になることから、今回のIPOはワールドマーケットにとって無視できない存在となっている。国内IPOは株式売却が1年間制限されることから、海外のIPOは2021年以降になると見られるが、国内で成功すれば、ニューヨーク市場や東京市場への上場など世界の主要市場へのIPOが現実化する。
先行き東証への上場も視野
特に東京市場はブレグジットで揺れるロンドンや民主化のデモで揺れる香港に比べてリスクが少ないことから有力市場と見られており、東証を運営する日本取引所グループ(JPX・8697)やその際の幹事証券として国内最大手の野村ホールディングス(8604)が需要な役割を担うと見られている。そして、サウジといえば政府系ファンドが重要出資者となっている「ビジョン・ファンド」を運営するソフトバンクグループ(9984)も無視できない存在。サウジアラムコの業績には原油価格の高値維持も必要で、国際石油開発帝石(1605)や石油資源開発(1662)などの石油大手も注目したい。
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