期待から現実買い
5G(第5世代移動通信システム)の今春からの商用サービスが間近に迫ってきた。大手通信キャリアからは対応端末や通信料金など具体的なサービス内容は発表されていないが、株式市場では水晶デバイスを大手の大真空(6962)が昨年末から急騰を演じるなど、関連銘柄が再び賑わっている。AI、IoT、スマートカー、ロボット、VRなど新しいビジネス領域を切り開くうえで5G普及への期待が高く、関連企業は商用サービス開始とともに期待から現実買いに移行しそうだ。
超高速な5G商用化
5Gの商用化では昨年4月から従来のLTE周波数(最大2.6GHz)と隣接した3.5GHz帯域だけでサービスを開始している韓国では12月に400万人を突破したことが伝えられている。一方、ほぼ1年遅れて商用化となる日本ではサブ6GHz帯域(3.7-4.5GHz)と28GHz帯域での2大周波数同時に構築し、超高速な5G商用化をスタートさせることから、基地局など整備に絡む関連需要は大きく、膨大な設備投資に比例して5G加入者や周辺サービスが鋭角的に普及すると見られている。
どうなる?関連企業の今後の戦略
日本を含めて旺盛な5G需要を裏付ける形になっているのが半導体ファウンドリー世界最大手の台湾TSMCの決算で、同社が16日に発表した19年4Q(10─12月)では、5G向け半導体の需要増から純利益は前年比16.1%と大幅な増益を達成している。このような状況下、東京市場では5G関連が高値を更新している。その筆頭では太陽誘電(6976)が2月7日、大真空が12日に第3四半期決算を迎える。大手キャリアではNTTドコモ(9437)が1月30日、KDDI(9433)が1月31日、ソフトバンク(9434)が2月7日に発表を予定しており、5G商用化の動向を確認するうえで、これら企業の決算発表には注目しておきたい。
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