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炭素繊維が収益を牽引
東レ(3402)は20年3月期通期増益確保へ全力をあげている。第2四半期は中国向けのウエートが高い繊維や機能化成品が苦戦したものの、炭素繊維が収益を牽引、原材料価格低下もフォローとなり、連結営業利益716億4800万円(前年同期比7.8%増)と減益ながら計画を上回った。通期は1450億円(前期比2.5%増)を見込んでおり、好調分野を伸ばすとともに、高収益の付加価値製品の取り扱い拡大していく。
航空機向けに増産体制が整う
炭素繊維は航空機向けに増産体制が整い、戦略投資の効果が表面化してきたことが好調の要因で、今後も全社収益を支える。ただ、20年終盤からボーイング減産の影響が出てくるため、拡大が続く天然ガスタンクや風力発電ブレードなど環境エネルギー関連や一般産業用途でカバーしていく。繊維はペットボトルリサイクルによる繊維ブランド「&+」の展開を本格化。機能化成品は有機EL関連部材など電子情報材料を伸ばす構えで、車載用タッチパネル向けにメタルメッシュ型感光性導電材料の量産を開始した。復調してきたライフサイエンスはダイアライザーが今後も着実な伸びが見込め、DNAチップなどの実用化も急ぐ。
by 株価チャート「ストチャ」
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