株式市場新聞WEB版2022年6月13日号

2022/6/13月曜日

選挙相場に突入!

 夏の参院選が6月22日に公示になり、7月10日に投開票が行われる。衆院選とは異なり、政権選択選挙にはならないが、選挙結果次第では岸田内閣の政権運営に少なからず影響を与えることになる。選挙へ向けて各政党は政策を積極的にアピールすることになり、関連銘柄が話題になってくる。株式市場も選挙モードに突入することになる。

FRBの政策に変化の兆し【潮流】岡山 憲史

 ドル円相場は5月24日に一時126円35銭と4月18日以来およそ1カ月ぶりの円高水準となった。
 円買い・ドル売りのきっかけは24日に発表された米国の経済指標だ。4月の米新築住宅販売件数(年換算)は前月比16.6%減の59万1000戸と急減し、新型コロナウイルスの感染初期に落ち込んだ20年4月以来の低水準となった。他の経済指標もことごとく下振れしたことで、米景気の先行きに警戒感が広がった。米長期金利は3.2%から2.7%まで低下(価格は上昇)した。
 

先週の東京株式市場は4週続伸となりましたが、日経平均の週足ローソク足はトウバの陰線形成。9日に一時2万8389円高値まであり3月高値を更新しましたが、ECB理事会でタカ派の政策運営が決定され、週末は大幅安で2万8000円台を割り込みました。

前週の東京市場は4週続伸しました。9日木曜日まで続騰し上値のフシ目を次々に突破、ただ、週末は前日までの上昇分をほぼ帳消しにする大幅な下げで2万8000円を割り込み、上昇幅は62円にとどまっています。

今週の活躍期待銘柄

マクドナルド

三和油化

日本マクドナルドホールディングス(2702)の株価は5月16日に5190円まで上昇したのちに5000円トビ台の揉み合いとなっているが、全般の地合い悪があっても3月14日の安値4860円が意識されよう。貸借倍率は0.11倍と拮抗しており、需給面での不安はなく6月末の優待権利取りで対処したい。既存店売上高は4月の前年同月比11.3%増からは伸びが鈍化したものの、5月は同5.1%増と好調持続。ドライブスルー、デリバリー、デジタル施策や、ディナー時間帯の強化に加え、バリュープログラムの継続や新たなメニューの導入で継続的にディナー時間帯や販売チャネル毎のベースセールスが着実に上昇。プライムへの市場変更期待も。

三和油化工業(4125)の株価は5月25日の3630円を底に上昇、25日や50日線を回復してきた。地合い悪で再度下押す場面があれば注目できよう。
 製造業という基盤をベースに、環境ニーズに貢献するリユース・リサイクル事業を展開、分離・高純度化技術を高め、厳格な品質管理を求められる電子材料分野にも事業領域を拡大させている。化学品事業を中心に半導体・電池向けの製品需要が大きく増加しており、23年3月期は連結営業利益で前期比10.5%増の18億円と前期に続き最高益を見込む。

5月第2週の動意銘柄

ラウンドワン
が高値

ラウンドワン<4680>が10日に急伸、年初来高値を更新した。同社は9日の取引終了後、5月の月次売上高を発表、20年3月期対比で1.3%増となったことが好感された。アミューズメントでは、5月に2店舗「ギガクレーンゲームスタジアム」としてリニューアルオープンしており伸びている。

ANYCOLOR
初値は3.1倍

8日に東証グロース市場に新規上場した<5032>は9日、公開価格1530円の3.1倍となる4810円で初値が生まれた。同社はVTuberグループ「にじさんじ」の運営を行う。

海運株が急落

日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>が9日に急落、東証上場33業種中、海運が下落率トップとなっている。デンマークの海運コングロマリット、APモラー・マークスが前日比8%安に売られるなど、海外海運株安の流れが波及した。

積水ハウス
が続伸

積水ハウス<1928>が10日に続伸。同社は9日の取引終了後、23年1月期の第1四半期(2~4月)決算を発表、連結営業利益で前年同期比60.5%増の877億6900万円となった。国内外の住宅事業の受注が好調に推移している。

ソースネクスト
が高値

ソースネクスト<4344>が急伸、9日に年初来高値を更新した。5月26日から子会社のポケトークがAI通訳アプリ「ポケトーク」(iOS版/ Android版)を、週額120円、月額360円、年額3600円(価格はすべて税込、初回3日間は無料)で全ユーザーへの提供を開始していることが引き続き材料視された。

ホープが
ストップ高

ホープ<6195>が9日にストップ高。8日引け後に発表した23年3月期の連結業績で営業損益1億2600万円円の黒字(前期166億5100万円の赤字)を見込み、上場廃止に係る猶予期間内に債務超過を解消することを最優先課題として取り組むと発表したことで買いが優勢になった。

ヘッジファンドの仕掛けがうまく嵌まっている感じがする。需給を絡めて相場を大きく動かす彼らの得意な戦略である。需給面での旨味がなくなれば相場は反転する。3月の時はSQ後上昇に転じた。今回は調整に向かう可能性が高い。

3月期決算発表が終わって、保有株の株主総会の案内が届いいる。今年はコロナ禍がピークを過ぎて経済活動が正常化へと向かっているが、召集通知を開くと、総会への来場を極力控えて、議案についてはウェブでの回答を促す企業が大半になっている。

 週明け13日の東京市場は大幅続落でのスタートで調整色の強い展開となりそうだ。
 注目されていた5月米消費者物価指数(CPI)は、市場の予想では前年同月比の伸び率が前月よりも低下し、インフレのピークアウト感を確認することが期待されていたが、前年同月比8.6%上昇と4月(8.3%)から伸びが加速する結果となった。

編集後記

これまではニューヨーク市場が下げても東京市場は下げなかったが、10日のナイトセッションの225先物を見る限り、今週はニューヨーク市場と連動して急落する可能性が高そうだ。インフレの深刻さが改めて認識されている。急落後の対応が難しくなりそうだ。

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