株式市場新聞WEB版2022年9月12日号

2022/9/12月曜日

秋のIPO到来

 秋の新規公開(IPO)シーズンが13日のジャパニアス(9558)を皮切りにスタートする。グロース銘柄は日経平均と同様に8月17日を高値に調整となっていたが、グロース市場Core指数も50日線水準の844ポイント近辺で下げ止まる動きになっている。米国の金利動向など不透明要因は多く、物色の方向感が見えにくいが、6月公開銘柄では上昇基調となっている銘柄も散見されるだけに成長性ある銘柄の初値形成後は注目できそうだ。

 米国による日本株の保有残高は21年末時点で1兆800億ドル。それが年初来の円安や株安で2割前後目減りしたとみられる。米国人売りが反転するには、マクロ条件として賃金上昇による内製的なインフレが必要だが、簡単なことではない。

今週はSQ値並びに2万8270円近辺に位置する25日線を回復できるかどうかが焦点となります。週末の9月限メジャーSQは2万8253円40銭で着地しました。

前週は原発関連の助川電<7711>や高田工業<1966>、リスタート関連のジャムコ<7408>に動きがありました。週明けは秋のIPOシーズンが近づいていることから・・・

今週の活躍期待銘柄

高田工業所

バンナムHD

高田工業所<1966>の株価は6月以降、一貫した上昇基調が継続、8月31日の高値1300円突破から更なる上値を期待したい。
 鉄鋼・化学関連の中堅プラント工事会社で、原発再稼働や新設の動きが押し上げ材料。原子力発電所のステンレスライニング、大型貯槽、配管などの建設を実施。なかでも使用済燃料を貯蔵するステンレスのプールは主製品のひとつで、設計から現地工事まで一貫して実施。安全対策が新設のうえで必須で受注拡大に期待。

バンダイナムコホールディングス<7832>の株価は8月19日の1万1190円高値から急落していたが9月7日の9522円を底に出直る動き。25日線1万306円抜けから高値奪回に期待したい。映画「ONE PIECE
FILM RED」が大ヒットしたことに続き、10月からは新作アニメ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の放送がスタート。新作ゲーム「GUNDAM
EVOLUTION」も9月22日から配信予定で、今後はガンダム関連の動向が株価押し上げ要因に。

  動意銘柄

新日科学
が急伸

新日本科学<2395>が9日に急伸。ジェフリーズ証券が新規「Buy」目標株価を3800円に設定したことが好感された。株価は5連騰で年初来高値を更新、2004年の高値2940円に迫りつつある。

ジーニー
が高値

ジーニー<6562>が8日大幅高で年初来高値を更新。7日取引終了後、自社が提供する広告買い付けプラットフォーム「Demand Side Platform」が世界トップレベルのマーケティングプラットフォームを提供するシンガポールのInMobiと業務提携すると発表したことで、協業による業容拡大と収益貢献を期待した買いを集めた。提携によりInMobiが保有するモバイルアプリやメディア在庫にアクセスし、顧客の目的に沿ったより幅広いソリューションを提供できるとしている。 提供:株式市場新聞社 marketpress.jp

パーク24
が急反落

パーク24<4666>が8日急反落。東京地検特捜部は「東京五輪を巡る汚職事件の関係先として、大会スポンサーだった駐車場最大手のパーク24の本社(東京・品川)を家宅捜索し、同社幹部から任意で事情聴取した」と各メディアが報じた。大会組織委員会はスポンサーの募集業務を電通に委託していたが、同社の契約には他の広告会社も関与したと一部で指摘されている。同社では幹部らを容疑者とした家宅捜索ではなく捜査に協力しているとしているが、不透明感空売りがかさんだ。

ガーラ
がS高

ガーラ<4777>が9日にストップ高買い気配。この日、韓国の連結子会社Gala Labが現地LG Uplus、Megazone Corporationとメタバースキャンパスプラットフォーム事業に関する業務提携に基本合意したと発表した。メタバースプラットフォームによる仮想キャンパスを開発・構築し、大学、高等学校、中学校、小学校などの各教育機関にコミュニティや学校業務などの付加的な業務の場として、メタバースプラットフォームを提供するとしており、協業による韓国事業の拡大と連結収益貢献を期待した買いを集めた。

スパイダーP
がS高

スパイダープラス<4192>が8日ストップ高。7日、業界初の基本特許技術「施工体制作業指示」を取得したと発表したことが買い手掛かりになった。施工体系図をはじめとした建設現場の施工体制に基づき、建設現場での事業者間の作業指示や完了報告などの情報共有を可能とする技術で、事業者間の情報共有のデジタル化を実現、複雑な指示命令系統での円滑なコミュニケーションや建設図面を活用した施工管理の効率化が図れるという

アンジェス
が3日

アンジェス<4563>が3日続落。同社は7日の取引終了後、新型コロナウイルス感染症(武漢型)向けDNAワクチンの開発中止を発表した。これまでの研究開発の知見を活かし、プラスミドの発現効率や導入効率の向上等、プラットフォームの見直しを行い、並行して、将来発生する可能性のある新たな変異株を視野に入れ、当面、オミクロン株の最新変異株(BA.5等)に対しても有効な、改良型DNAワクチン研究を開始する。

今週は前週の流れを汲みリバウンドを試す展開が想定される。注目材料としては13日夜に発表される米8月CPI(消費者物価指数)だろう。6月の9.1%をピークに下がってきており今回の市場予想値は8.1%である。この伸び鈍化トレンドが継続しておれば次週のFOMCでの波乱も避けられそうである。

 自動車メーカー各社の半導体不足は未だ深刻で、ホンダが今秋に販売開始を予定していた新型SUV「ZRーV」も来年春まで延期が発表された。

 今週はFOMCに向けて、金融当局者が金融政策に関する発言を控えるブラックアウト期間に入ることからタカ派発言による株価急変のリスクは少ない。

編集後記

先週は円安が急激に進んだが、黒田・岸田会談後の黒田発言で一旦は円安が落ち着く動き。アナウンス効果は一時的に焼け石に水だが、危機意識を発信するだけでも多少は円高を食い止める効果はあろう。市場の関心は来年春の日銀総裁任期に関心が移る。新総裁でこれまでの緩和スタンスが変化するか?

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