2022/9/26月曜日
ダウ安値でどうなる?
東京市場が祝日の23日にニューヨーク市場は3指数揃って暴落、ダウで6月安値2万9653.29ドルを割り込んで引けた。祝日取引が実施されている大阪取引所でも225先物のナイトセッションで一時2万6260円まで急落しており、26日は波乱のスタートが予想される。弊紙コラム執筆陣による今後の投資戦略を下記に紹介する。
上昇相場の正念場
2週連続下落
先週の日経平均株価は前週末比413円安と2週連続下落した。
米FOMCで0.75%以上の利上げが行われる事への警戒感により売られたが結局、今回の利上げは0.75%に決まった。
しかし、同時に公表されたドッドチャートでは22年末までに政策金利を後1.25%引き上げる見通しが示され11月、12月のFOMCのどちらかで0.75%以上の利上げが確実となった。
売り優勢の展開が続く
この事は景気を悪くしてもインフレを抑制すると言うFRBの姿勢がはっきりした為、早期の金融緩和期待は潰された。
そうなればチャート上の節目では押し目買いやリバウンド狙いの買いが入る可能性はあるが売り優勢の展開が続くと思われる。
24年振りに円買いの為替介入
一方、日銀は先週の金融政策決定会合で引き続き金融緩和の継続を発表した。
スイス中銀が先週0.75%の利上げを発表したため、日本は世界で唯一マイナス金利政策をとっている事になる。
発表後、為替は145円台後半まで売られたがここで日銀は24年振りに円買いの為替介入に踏み切った。
「金利は上げないがこれ以上の円安は困る」と日銀の立場をはっきりさせた。
怖いのは・・・
だが、これだけ金利差がついてくると単なる為替介入だけでは円安トレンドを替える事は難しい。
怖いのは1100兆円と言われる個人の現預金の一部が外債等に流れるトレンドができてしまう事だ。
金融商品知識が乏しいとされる日本人ではあるが最近は若者を中心に分散投資は進んでいる。貯蓄額の多くは高齢者が占めているが相続が進むと円だけでなく分散投資で海外金融商品が買われる傾向が高まる可能性は高い。
仮に1割が海外商品に分散投資されると?
仮に1割が海外商品に分散投資されるとしても110兆円の円売り要因になる。
この金額は為替介入の原資になる外貨準備高に匹敵する規模である。
足元、円安による影響で生活必需品を中心に価格が上昇している。円安が必ずしも悪いとは言わないが平均賃金が上がらない以上一般国民にとってはやはり円安はマイナスに働く事が多い。
そうなれば自己防衛策として外貨に分散投資するのは当然の流れと思われる。
日銀も対応が難しくなる
分散投資は必要な事ではあるが大きなトレンドが出来てしまうと日銀も対応が難しくなるだろう。多少の景気が良くなっても収入は上がらない構造に日本はなっているのだからまずはこの過度な円安を止める政策をしっかり取ってもらいたい。
上昇トレンドラインを割ると・・・
相場は上昇相場の正念場を迎えている。
今週は9月の権利取りの動きやその後の配当金原資による買いの期待もある為ある程度の買い需要はあろう。
3月9日の安値(24681.74円)を起点とする右肩上がりの上昇トレンドラインが26200円処に位置する。このトレンドラインを割ってくると調整色が強まりそうだ。
週初に突っ込んだ所は買い場
また、ボリンジャーバンドが拡大してきており-3σ(26631円)処を割ってくると短期リバウンド期待も出てこよう。過去のリズムからは高値から約3000円程度の下落で一旦はリバウンドしているケースが多く今週、週初に突っ込んだ所は買い場になると思われる。
相場レンジとしは26000円から27000円を想定。突っ込み買いで今週は望みたい。
暴落シーズン
問題は先行き金利見通し引き上げ
先週の東京株式市場は続落となりました。注目の米連邦公開市場委員会(FOMC)は市場予想通り0.75%利上げとなり、政策金利(FFレート)は3.00%~3.25%になりました。問題は先行きの金利見通しを示すドットチャートで、2022年末の中央値が4.25%~4.5%と前回見通しから引き上げられたことです。
年内1.25%、来年も0.25%利上げ
ということは11月及び12月の会合で合計1.25%の利上げを見込んでいるということです。恐らく11月も0.75%利上げし12月に0.5%利上げが行われるのではないでしょうか。更に2023年末の中央値が4.5%~4.75%となっており、来年も更に0.25%利上げが行われる予想です。
景気敏感株は今後厳しい状況に
また、経済見通しでは2022年の実質GDPが前回会合の1.7%成長を今回0.2%に変更。2023年の実質GDP見通しも前回の1.7%成長から1.2%成長へ、2022年の失業率見通しは前回の3.7%から3.8%に変更し、2023年も前回の3.9%から4.4%へと変更しました。こうなると景気後退は避けられず、景気敏感株は今後厳しい状況に追い込まれるものと思われます。
NY市場は厳しい展開
さて、NY市場ですが、まずNYダウは23日に6月安値を更新しました。週足では5週線と13週線とがデッドクロスしMACDもデッドクロス。月足でも12カ月線が24カ月線とのデッドクロスが近づいており、厳しい展開となっています。また、S&P500では6カ月線と24カ月線が既に先月デッドクロスしています。これはリーマンショックの大底だった2009年以来のことです。一方、ナスダックは12カ月線と24カ月線がデッドクロスしています。
一時的な調整ではない
米主要3指数はリーマンショック以来の悪い形になってきました。このことから、現在のダウントレンドはコロナショック時のような一時的な調整ではないと思います。世界恐慌に発展した1929年の暗黒の木曜日、1987年のブラックマンデーも、そして2008年のリーマンショックという米国3大暴落は全て10月に起こっています。
6月安値を割り込めば…
その10月が近づいており、今週以降の動きは非常に重要になると思われます。もしNYダウに続いてナスダックが今年6月安値を割り込めばその確率は高まるでしょう。NYダウの6月安値2万9653ドルに対して23日は2万9590.41と6月安値を割り込んで引けました。そしてナスダックの6月安値は1万565ポイント(23日引け値は1万867.93ポイント)です。もしここを割り込むようであれば、持ち株は損でも現金化することをお勧めします。
大天井打ち半値押しも不思議でない
長期波動を見るとNYダウのボトムはリーマンショック時に6469ドルです。今年1月高値は3万6952ドルなので5.7倍になりました。ナスダックの2008年安値は1265ポイントでした。そこから昨年11月高値の1万6212ポイントまで12.8倍になりました。大天井打ち後の株価が2~3割程度の下げで終わるはずがありません。私は恐らく半値押しくらいあっても何ら不思議ではないと思います。
日経平均は中長期線とのデッドクロス迫る
そうなると東京株式市場も持ちこたえることは難しいでしょう。日経平均は続落により13週、26週、52週線を割り込んできました。5週線も下向きに転じており、中長期線とのデッドクロスが迫ってきました。日経平均の年初来安値は3月の2万4681円であり、NYの指数に比べると距離があります。
戻りを利用して現金化
しかし、月足では6カ月線が2万7253円、12カ月線が2万7531円、24カ月線が2万7680円と位置関係が既に逆並びとなっており、ダウントレンド入りしていることが分かります。NY主要3指数すべてが6月安値を割り込むには少々時間がありますので、その間の戻りを利用して現金化を図ることことが必要だと考えます。
日々勇太朗
米国株安も安値更新で反発が近い
22日の日経平均は米国の利上げが0.75%と決定されて、年3.0-3.25%となりました。この結果はすでに予想されたことで材料出尽くしとなり、特に、売られる理由もないのですが、米国の金利上昇圧力が続くことによって、米国国債金利が10年物で23日に3.859%まで急伸しました。
NYダウは安値更新
年内に金利が4%を超えて4.5%まで上昇する見方が強まり、それにサヤ寄せする動きが一段と高まったとみられます。こうした動きが、これまでにない景気後退に対する警戒感から米国株式が22、23日と下落し4日連続安となり、米国株式は30000ドルを割り込み29590ドルと6月安値の29653ドルを下回って終えました。
反発のメドは?
ハイテク系などが一段安となったほか、企業業績が景気の先行き悪化を予想してリストラなどを発表する企業が目立ち始めたこと、英国の財政に対する懸念の強まりなどが加わって安値を更新したと思われます。国債金利は今年の利上げ見通しの4.0%以上を織り込むところまで金利が上昇した後は落ち着くとみられますので、10年物金利が4%台に乗せる場面がメドになりそうです。そのあとは反発に転じるとおもわれます。
売られた後は戻していく
こうした連休中での米国の動きが来週26日の相場に影響を与えることになり、日経平均は27000円を割り込む可能性が強まりました。26500~26800円までの下落が予想されますが、ハイテクや国際商品系、輸出系の下落が予想されます。内需系も影響を受けることになりますが、22日のように売られた後、戻していく可能性が高くいと思われます。
動意銘柄
IBC
がS高
アイビーシー<3920>が22日、一時ストップ高。21日、システム情報管理ソフトウェア「System Answer G3」で、IT障害の早期復旧を実現する新機能「ダイナミックブックマーク」と「トラブルシューティングアシスタント」を世界に先駆け10月3日から提供すると発表したことを受け、利用増と収益貢献を期待した買いを集めた。IT障害の根本原因を相関分析により特定、障害発生未然に防ぐとともに、障害発生時も早期復旧が可能となるとしている。
四国電力
が大幅反落
四国電力<9507>が21日大幅反落。前日取り引き終了後、未定としていた23年3月期第2四半期末配当を見送ると発表したことが嫌気された。前年同期は15円。ロシアのウクライナ侵攻以降、燃料価格の先行きが不透明な状況が続いており、依然として通期の業績を見通すことが困難たためとしている。
Pアンチ
が急反発
プレミアアンチエイジング<4934>が急反発。この日、連結子会社プレミア・ウェルネスサイエンス(PWS)が、幹細胞培養エキスがコア成分のスキンケアブランド「Reinca(レインカ)」の発売したと発表した。東京大学との共同研究の成果として発表した独自の歯髄幹細胞培養上清液をコア成分とする新ブランドで、販売増と収益貢献を期待した買いが向かった。
クルーズ
がS高
クルーズ<2138>が22日に続騰、一時ストップ高まで買われた。22日、完全子会社のCROOZ Blockchain Labが参画するプロジェクト「PROJECT XENO」に人気YouTuberのヒカル氏がアンバサダーとして就任すると発表したことが買い手掛かり。ヒカル氏とNFTゲーム業界に新しい風を起こすとしており、ゲーム企画・運用サービスの拡大と収益貢献が期待された。
キャンバス
がS高
キャンバス<4575>が21日ストップ高。20日取引終了後、CBP501臨床第2相試験ステージ1について、3剤併用投与群の一つが良好な成果を示し、ステージ2を実施せず第3相試験へ進むことが濃厚になったと発表したことが好感された。2剤併用投与群の一つで3カ月無増悪生存が確認され、早期無効中止がなくなり、今後のシナリオはステージ2をスキップして第3相試験実施か、1~2群のステージ2を実施してから第3相試験実施」まで絞り込まれたとしている。
南都銀行
が急伸
南都銀行<8367>が20日急伸。16日引け後、23年3期の業績と配当予想を引き期上げたことが好感された。通期の連結業績について、最終利益を110億円から120億円(前期比1.1%増)へ。コア業務純益が上回り、与信関連費用が下回る。収益上振れに伴い期末配当を62円から73円(前期は70円)引き上げ、年間配当を113円(前期は110円)に増配する。
週明けの東京市場は日経平均で2万7000円台を大幅に割り込む波乱のスタートとなりそうだ。
景気悪化を覚悟しても断固としてインフレを抑制するというFOMCの姿勢を嫌気して、日本が祝日中のニューヨーク市場はダウで6月安値2万9653.29ドルを割り込んで引けた。
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