2022/10/10月曜日
再び2万7000円割れ?
先週は大幅上昇で底打ちしたかと思いきや、7日のニューヨーク市場では3指数揃って大幅下落となり、225先物はナイトセッションで2万6700円まで急落した。これを受けて3連休明けの東京市場は波乱のスタートとなりそうだ。弊紙コラム執筆陣による今後の投資戦略を下記に紹介する。
海外勢の売りは止まったのか?
先週の日経平均は前週末比約1178円高と4週間ぶりに上昇した。
9月13日の戻り高値(2万8659円)から10月3日に安値(2万5621円)まで約3038円下落し反転した。
今回も約3000円下げると反転するという過去のパターンと同じ形で戻った。
週間で最大の売り越し
東証が発表した9月第4週(9月26日~30日)の海外投資家の先物・現物株の合計は2兆円を超え2018年以降では週間で最大の売り越し金額となった。
これは前回も指摘したがバークレイズが売りを出していたと思われその売りが一旦止まったから先週は反発したと考えられる。
金融破綻があってもおかしくない
急激な金融引き締めであらゆるところで歪みが出始めておりこれからはリーマンショックのような金融破綻があってもおかしくない状況である。
またそれくらいの状況にならないとFRBは金融政策を緩和に変更しないだろう。
13日に9月米CPI
現在のFRBにとって株価はインフレ抑制の判断材料になっているので急激な下落は困るが緩やかな下落は歓迎なのである。
中央銀行がそのスタンスのうちは戻りは限られるだろう。今週は13日に9月米CPI(消費者物価指数)が発表となる。前回、前々回とこの指数で大きく株価が下落したので注意が必要である。
今週は月曜日が休日になるので4日立ち合いとなる。
雲の下限で跳ね返される
戻りを試す展開となってはいるが先週で下げ幅の半値戻り(2万7140円処)を達成し一服感がある。
チャートでも一目均衡表の雲の下限(2万7372円処)で跳ね返される状況である。
この水準は200日移動平均線(2万7309円処)でもありこの辺りでは売りが出やすい価格帯でもあろう。
オプションを絡まして動かしやすい週
上値メドは25日移動平均線(2万7325円処)、今回の下げ幅の61.8%戻しの27498円があげられよう。
一方、下値は5日移動平均線(2万6951円処)、転換線(2万6511円)、窓埋め(2万6223円)となろう。
また、10月SQ週でもある。オプションを絡まして動かしやすい週でもあるので注意が必要である。
今週のレンジは?
今週のレンジは2万6200円~2万7500円を想定。戻り売りをこなせるかを見極めたい。
(ハチロク)
CPI発表に警戒
10月第1週の東京市場は、急速に戻す展開になり、日経平均では25日線を上抜き10月6日に2万7399円19銭まで上昇したが、3連休明けは再び2万7000円を割れる波乱の展開になりそうだ。
9月米国雇用統計は高い水準を維持
注目された9月の米国雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比で26万3000人増と、市場予想の27万5000人増ほど増えなかったものの、失業率は3.5%と、市場予想や8月実績の3.7%を下回った。これに加えて平均時給の伸び率も前年同月比5.0%と市場予想の5.1%を下回ったものの、引き続き高い水準を維持した。
ナイトセッションは2万6700円引け
労働需給がなお引き締まっている状況を受けて米長期金利が一時3.9%台に上昇、次回のFOMCでは0.75%の利上げが不可避との見方から7日のダウは630.15ドル安、ナスダックも3.80%の大幅安で、日経平均先物のナイトセッションは2万6700円で引けている。
ポジションを軽く
先週の楽観論が一気に剥離された形だが、今週は12日に米国で生産者物価(PPI)、13日に消費者物価(CPI)が発表される。エネルギー価格下落を受けて伸び率鈍化が予想されてはいるものの、先の雇用統計の内容を見ても楽観は禁物。先月もCPI発表後に急落しており、ポジションを軽くして全般の流れを見極めたい。
動意銘柄
インバウンド関連
総じて高い
JR東海<9022>、JR東日<9020>、近鉄グループホールディングス<9041>、東急電鉄<9005>の電鉄、JAL<9201>、ANAホールディングス<9202>の空運のほか、エイチ・アイ・エス<9603>、エアトリ<6191>の旅行株などインバウンド関連が総じて高い。東証上場33業種で陸運が上昇率トップ、空運が2位となっている。今月11日から新型コロナウイルスの水際対策緩和や政府の観光支援策「全国旅行支援」が実施されることから、観光需要回復への期待が改めて高まった。
ディスコ
が大幅反落
ディスコ<6146>が7日大幅反落。前日取り引き終了後に発表した第2四半期(7~9月)の個別売上高は667億円(前年同期比34.4%増)と計画を上回り大幅増収になったが、出荷額は609億円(同0.1%減)と伸び悩んだことから、3Q以降の減速が警戒された。期ずれの影響が大きかったとみられるが、量産用途向け半導体の需要が鈍るなど例年の季節性からするとやや伸び悩んだとしている。
ローム
が4日続伸
ローム<6963>が7日に4日続伸。同社は6日の取引終了後、23年3月期の業績予想の修正を発表、第2四半期累計(3~9月)連結売上高で2520億円から2595億円(前期比16.5%増)へ、営業利益で390億円から500億円(同44.9増)に上方修正した。電子化ニーズの高まりや円安が寄与した。
乃村工藝
が続急伸
乃村工藝社<9716>が続急伸。同社は6日の取引終了後、23年2月期の第2四半期累計(3~8月)決算を発表、連結営業利益で前年同期比13.1%増の10億4000万円となったことが好感された。前年同期に複数の大型案件を完工した博物館・美術館市場、博覧会・イベント市場等の売上が減少したが、首都圏において大型商業施設の新装や改装が相次いだ複合商業施設市場、テーマパーク施設やホテルのリニューアルなどを手掛け堅調に推移した余暇施設市場等が増加した。
coly
がストップ高
coly<4175>7日がストップ高カイ気配。同社は6日の取引終了後、大手エンターテインメント企業との取引契約を発表した。協業による、オリジナルオンラインゲームの企画、開発および運営を行う。
サンエー
が大幅高で新値追い
サンエー<2659>が6日、大幅高で連日の年初来高値更新。前日取り引き終了後に発表した23年2月期第2四半期累計の連結決算は、営業利益56億1900万円(前年同期比29.3%増)と計画を上回り、大幅増益で着地したことが好感された。インバウンド消費が収益を押し上げているようで、通期計画の101億2400万円(前期比21.5%増)に対する進捗率も55.5%と順調。
編集後記
ニューヨーク市場が下げ止まらない。雇用統計の結果を受けて、金融当局者は地名ストラテジストも金融引き締め継続を唱える向きが増えてきた。今回のインフレはロシアのウクライナ侵攻とコロナ禍での過剰な緩和の後始末の弊害が大きい。過去に経験したことがない状況に金融当局も適切な方策が見いだない状況なのだろう。専門家が迷うのに個人投資家がこれを見抜いて運用するのは至難の業だ。
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