賃金が上昇しないのは政府の無策【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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「自社株買いも禁止や見直しに踏み込むべき」の質問

今月14日に立憲民主党の落合議員は企業が収益を従業員の賃金や設備投資に充てずに自社株買いに向けていることで「企業収益が株主に吸い取られてしまっている。自社株買いも禁止や見直しに踏み込むべきではないか」と質問。岸田総理は「画一的に規制することは慎重に考えなければならない。個々の企業の事情に配慮した対応、ガイドラインなどは考えられないだろうかとは思う」と答えた。このニュースが市場に流れると株価は急落した。

自社株買いが経済に与える影響を分かっていない政治家

自社株買いが企業と株式市場に対して非常に重要な役割を果たしていることを全く理解していない発言だ。株式市場が経済に与える影響を分かっていない政治家が多く、日本が30年間も衰退してきた要因でもある。株式市場の上昇は企業価値を高め、経済力と国力を強くする。景気が良くなれば、内需が拡大する。企業の収益が増加し、従業員の賃金が上昇する。

米国でも多くの会社が資金を注ぎ込んでいる

米国はアップルなどの大手IT企業が米国経済を牽引している。アップルは今年4月に600億ドルの自社株買い枠を発表。昨年は500億ドルの自社株買いを行った。米国の大企業は手元資金が豊富だ。多くの会社が大規模な自社株買いにその資金を注ぎ込んでいる。

政府が株式市場を上昇させる政策を打ち出さない

自社株買いとは過去に発行した自社株(アップル株)を、アップル自身が市場で買い取ることだ。こうすることでアップル株の市場流通量が減少し、既存株主の取り分が増える。日本の賃金が上昇しないのは、政府が株式市場を上昇させる政策を打ち出さないからだ。

トヨタのように成長分野へ大胆な投資を行え!

15日にトヨタは電気自動車(EV)に4兆円規模を投資し、欧米や中韓メーカーを一気に抜き去る本気度を見せた。株価は大幅上昇となった。日本政府も考え方は企業と同じだ。トヨタのように成長分野へ大胆な投資を行えば市場は高い評価をする。優秀な若手官僚であれば様々な成長分野が考えられるだろう。

政治家の責任

また、教育や研究開発など将来のためにも思い切った資金を投入する必要がある。その為の財政支出が積極財政なのだ。日本の経営者が日本の未来に希望を持てば、設備投資を拡大させ、賃金も増やすはずだ。企業や国民が不安を抱えているので、設備投資や賃金に回せないのだ。それは政治家の責任であることを自覚すべきだ。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はデジタルHD(2389)、マークラインズ(3901)、ビーイングHD(9145)。

 

12月20日「潮流」3銘柄の解説|岡山 憲史【株式投資テレビ】も併せてご視聴ください。

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて約1万人の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催、ゴールドマン・サックス投信・クレディスイス投信・野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、
プロの運用担当者などを含む1万人以上の参加者を集めて実施。
コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)は日本株式市場がバブル後最安値を付けに行く最悪の環境にもかかわらず、
1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に殖やすという脅威の成績をあげ文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2ヶ月間で1億円の資金を2億1600万円に増加させ、6位入賞。
1999年12月8日にマーケットバンク設立。20年間にわたって株式投資で安定した高パフォーマンスを継続して出すことのできる
画期的な運用手法とサービスを提供している。

2002年1月にNHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
直近では2017年1月に始まった夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
1ヶ月間で3銘柄の合計パフォーマンスを競います。最終のパフォーマンスは155%と断トツの結果。
週刊現代、週刊ポスト、夕刊フジ、ネットマネー、月刊カレントなど幅広く執筆活動を行っている。
また、個人投資家に投資情報や個別銘柄の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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