株安も終わりの始まり【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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軟着陸シナリオの見方は定まっていない

コロナ禍でインフレ傾向が強まる中、2月のロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻と3月の上海市の都市封鎖(ロックダウン)が重なり、さらにインフレ圧力が強まった。米連邦準備理事会(FRB)が景気後退を回避しつつ、インフレ抑制に成功する「ソフトランディング(軟着陸)」シナリオを巡って市場の見方は定まっていない。

中央銀行にとって非常に困難な状況

1~3月の非農業部門の労働生産性(速報値)が、年率換算で前年同期比7.5%低下し、1947年以来、約75年ぶりの落ち込み幅となった。パウエルFRB議長は「原油や商品、食品の価格を我々が制御することはできない。ロシア・中国情勢は広範囲のインフレをもたらしており、グローバルな供給網の進展を妨げる可能性はあるだろう。需要サイドに着目して我々ができることに焦点を当てる」と強調。素材や部品の不足などで混乱が続く供給サイドが制御不可能なことを認め「中央銀行にとって非常に困難な状況だ」との認識を示した。

インフレのピークアウトが見えないことに警戒感

米株式相場は急伸した後に急反落する「ブルトラップ(強気のワナ)」を繰り返している。市場のリアリティーチェック(現実認識)は株式市場参加者の判断を惑わせている。5月11日の米国主要株価3指数はいずれも年初来安値を更新した。株式市場はインフレのピークアウトが見えないことに警戒感を強めている。

米長期金利の天井が近い

4月の米消費者物価指数(CPI)の伸び率が市場予想を上回り、FRBの金融引き締めへの警戒が強まった。マージンコール(追い証)に伴う投げ売りが大型ハイテク株に出た。ただ、米長期金利の上昇(債券価格の下落)の勢いが鈍っているのも事実。9日に3.2%まで上昇した米10年物国債利回りが前日比0.07%低い2.92%で終えた。インフレは高止まりの公算が大きくなるが、短期的に米長期金利の天井が近いとみる市場参加者がじわりと増えている。

インフレ抑制効果は必ず出る

また、ナスダック総合指数の25日騰落レシオは70を切った。2020年3月のコロナショック以来となり、売られ過ぎ水準だ。この反動は間もなく訪れるだろう。FRBは既に3月と5月で合計0.75%の利上げを実施し、6月、7月もそれぞれ0.5%の利上げを行なう予定だ。イフレ抑制効果は必ず出る。株安も終わりの始まりに来ている。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はオプテックスグループ(6914)、ジェイフロンティア(2934)、BEENOS(3328)

 

5月16日「潮流」3銘柄の解説|岡山 憲史【株式投資テレビ】も併せてご視聴ください。

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて約1万人の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催、ゴールドマン・サックス投信・クレディスイス投信・野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、
プロの運用担当者などを含む1万人以上の参加者を集めて実施。
コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)は日本株式市場がバブル後最安値を付けに行く最悪の環境にもかかわらず、
1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に殖やすという脅威の成績をあげ文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2ヶ月間で1億円の資金を2億1600万円に増加させ、6位入賞。
1999年12月8日にマーケットバンク設立。20年間にわたって株式投資で安定した高パフォーマンスを継続して出すことのできる
画期的な運用手法とサービスを提供している。

2002年1月にNHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
直近では2017年1月に始まった夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
1ヶ月間で3銘柄の合計パフォーマンスを競います。最終のパフォーマンスは155%と断トツの結果。
週刊現代、週刊ポスト、夕刊フジ、ネットマネー、月刊カレントなど幅広く執筆活動を行っている。
また、個人投資家に投資情報や個別銘柄の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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