外国人投機筋の売りが反転するには?【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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賃金上昇による内製的なインフレが必要

米国による日本株の保有残高は21年末時点で1兆800億ドル。それが年初来の円安や株安で2割前後目減りしたとみられる。米国人売りが反転するには、マクロ条件として賃金上昇による内製的なインフレが必要だが、簡単なことではない。

円安=外国人売り

新規求人数が力強い伸びを示し、賃上げは広がっていくだろうが、来年は世界経済減速との綱引きになるとみる。円安加速も米国人の日本株投資には逆風だ。過去10年、「円安=外国人売り」という傾向があるが、とりわけ今年は顕著だ。

株と円の売りを止める最大の外部要因は?

四半期末の3、6月に円相場は前月比7円前後の円安・ドル高になったが、外国人投機家による月間売越額はいずれも1兆2000億円前後に膨らんだ。コロナ禍前のドル円レートは1ドル=110円であったが、今では1ドル=144円台まで円安が進んでいる。外国人投機筋の株と円の売りを止める最大の外部要因はウクライナ戦争の終結とコロナ禍の終息であるが、その時期を予測することは難しい。実現すれば外国人投機筋による大口の株買い・円買いが継続して入り、株式市場は急伸し、円高が加速することになる。

大胆な経済対策と大規模な財政支出が必要

また、米連邦準備制度理事会(FRB)の相次ぐ大幅な利上げでも高インフレの沈静化が見えてこない。歴史的な高インフレと急ピッチな利上げの影響、ウクライナ戦争によるエネルギー供給制約により、年後半から23年前半にかけて景気の減速感が強まる可能性が高まってくる。企業業績の悪化と個人消費の落ち込みが見え始めると外国人投機筋は株を売ってくるだろう。その時に、外国人売りを反転させるには政府の大胆な経済対策と大規模な財政支出が必要となる。

たった一人の独裁者が国を滅ぼす

ただ、新型コロナ感染症に対する行動規制は緩和され、人々はコロナとの共存の道に向っている。問題はウクライナ戦争だ。プーチン大統領が引き起こした戦争であり、プーチンとゼレンスキー大統領が話し合いのテーブルに付くにはウクライナが勝利するしかない。近代化した現代において、プーチンという支配欲の非常に強い、歪んだ思想を持った独裁者が独裁政治体制国家のトップになると今回のような戦争を引き起こすことになる。たった一人の独裁者が国を滅ぼすことを決して許してはならない。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はアクリート(4395)、INTLOOP(9556)、アンビスホールディングス(7071)。

 

9月12日付「潮流」3銘柄の解説|岡山 憲史【株式投資テレビ】も併せてご視聴ください。

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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