割高感解消されたNY株【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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米ダウ平均47年ぶりの上昇率

10月のダウ平均は14%上昇し、1976年1月以来46年9カ月ぶりの上昇率を記録した。多くの機関投資家が指標とするS&P500種株価指数も8%高、ハイテク株で構成するナスダック総合株価指数も4%上昇した。そろって年初来安値圏に沈んでいた10月上旬以降の回復が顕著だ。

機関投資家の買い戻し

個別銘柄の株価反応をみると景気敏感株の上げが目立つ。ダウ平均の構成銘柄では建機のキャタピラーや航空機部品などを手掛けるハネウェル・インターナショナルが株価上昇率の上位に入った。9月までの株価下落局面で株の保有を圧縮していた機関投資家が買い戻しに動いたようだ。

株高の背景は?

株高の背景にはテクニカルや需給、さらに米金融政策の先行きをめぐる見方の修正がある。FRBが景気に配慮して12月にも利上げ幅を縮小するとの観測が一部で浮上した。「フェドウオッチ」によると、12月13~14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.75%の利上げ確率は42%近辺と1週間前から約9ポイント低下。一方、0.5%の確率は51%前後と約4ポイント上昇した。

巨大IT銘柄の低調

10月の株式市場では巨大IT銘柄の低調ぶりも関心を集めた。米ハイテク大手5社GAFAM(アルファベット、アップル、メタプラットフォームズ、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト)の株価は決算発表後にほぼ総崩れとなった。フェイスブック運営のメタやアマゾン・ドット・コムはそれぞれ月間で約3割、約1割下落した。 巨大IT企業の株価動向を反映する株価指数「NYSE FANGプラス」は10月に前月比5%下落した。S&P500と比べた相対騰落率は、比較できる14年以降で最悪となった。低金利時代に相場をけん引したIT企業の存在感低下を象徴する記録となった。

景気に配慮した金融政策を!

米S&P500種は9月のCPI発表前の高値である3806.91を明確に上回ったことで、200日移動平均のある4120程度まで上昇する可能性がある。バリュエーションが異常に上昇した一部のグロース株には、まだ調整リスクがあるだろうが、既に多くの銘柄は、バリュエーション的に割高感が解消されてきているので、過度に先行きに対して警戒する必要はないだろう。
ただ、パウエルFRB議長が景気に配慮した金融政策を行なうことが条件である。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はキャンバス(4575)、JVCケンウッド(6632),ヤマシタフィルタ(6240)

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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