インフレ沈静化とリセッションが交錯【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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金融引き締め緩和期待とテクニカル要因

日経平均は10月3日に2万5621円の底から上昇基調が強まり、11月24日に2万8502円の戻り高値を付けた。上昇率は11.2%だ。その後は下落基調が強まっている。
米ダウ平均は10月13日の2万8660ドルを底に、12月1日の高値3万4595ドルまで上昇率は20.7%だ。米ダウ平均が上昇してきた背景にはインフレ沈静化に伴う米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締め緩和期待とテクニカル要因だ。

利上げペースを減速する時期

パウエル議長は11月30日、利上げペースを減速する時期について、「早ければ12月会合になるかもしれない」と表明した。市場では、13~14日に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ幅を0.5%に縮小するとの見方だ。

GAFAMが売られる

12月7日の米国市場で米長期金利が低下し、一時3.40%と9月以来の低水準を付けた。金利が下げる場面では高PER(株価収益率)のハイテク株は相対的な割高感が薄れるため買われることが多いが、ナスダック総合株価指数は下落。米国を代表するハイテク企業のアップル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、メタプラットフォームズ(フェイスブック)、アルファベット(グーグル)といったGAFAMが売られた。

景気不安ならハイテク株はむしろ割高

投資家がハイテク株を積極的に買えないのは、米金利の低下はFRBの利上げで米経済がリセッション(景気後退)に陥るとの警戒感を表していると受け止められているためだ。長期金利は市場参加者が運用リスクを回避するため安全資産とされる米国債を買うと低下する。金利が下がっても、景気不安を踏まえるとハイテク株はむしろ割高に映ってしまう。このままハイテク株の売りが続けば米株式相場の先行きは一段と危うくなってしまう。

11月CPI発表後の流れは?

12月13日には11月の米消費者物価指数(CPI)の発表がある。米インフレのピークアウトが意識された10月のCPIの発表後の流れを引き継ぐと、金利は一段と低下し、外国為替市場で円の対ドル相場が大きく上昇するシナリオも描ける。米CPIをきっかけに円高・ドル安が強まれば、国内輸出企業はグローバル景気悪化に加え、コスト高を為替差益でカバーするのも困難になる。

円高は経済にはマイナス

円高は経済にはマイナスである。値がさハイテク株が多い日経平均の上昇率が鈍い要因である。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はメディシノバ(4875)、共立メンテナンス(9616)、日本紙パルプ商事(8032).

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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