円高が日本衰退を招いた【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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米国圧力で過度の円高と輸入大国に

昨年10月に1ドル=152円手前まで進んだ円安に危機感を募らせた政府・日銀は9月と10月に24年ぶりとなる円買い・ドル売りの為替介入に踏み切った。
日銀が12月に金融緩和政策を修正したことで、1ドル=127円台まで円高が進んだ。ただ、アメリカの圧力で過度の円高と輸入大国になってしまったことが日本の衰退に繋がったことを忘れてはならない。

円安が続くなら?

円安が続き海外からの輸入コストが高まって、日本で生産する方がコストが安くなるなら、企業は国内で生産する体制に変わり始める。グローバル供給体制(サプライチェーン)を抜本的に転換させる必要性が生じるのだ。

自給自足の体制が必要

ロシアや中国の国家体制の変化で食料やエネルギー、経済までも脅かされる現状を見れば、日本は自給自足できる体制を構築しなければならないことが分かる。日本企業は世界的技術発展の恩恵を受け、物的生産性をそれなりに上昇させてきたが、円高とデフレによる販売価格低下により、企業には生産性上昇の果実が残らず、付加価値生産性は横ばいであった。労働報酬を抑制することで企業利益が確保されてきた。

内需拡大政策に大転換すれば?

日本の実質賃金が過去30年間まったく上昇しないデフレ経済に陥った。大企業は賃上げできても、全企業の99.7%を占める中小企業は難しい。内需拡大政策に大転換すれば、日本の全従業員の69%を占める中小企業で働く人の給料も上昇するだろう。円高による国力の衰えは経済力の低下に繋がって国民生活を苦しめる結果となった。

雇用が日本に戻ってくるチャンス

円安は過去の急激な円高で日本から海外に移った工場や資本、ニュービジネス、雇用が日本に戻ってくるチャンスと捉えるべきだ。米中対立も日本への工場回帰を加速させるだろう。円安はインバウンドを急増させ外国人観光客が日本の地方内需を拡大させる。

円安は日本再生の切り札

極端に割安になった日本製品を個人や中小企業が購入し、インターネットを通して海外へと販売する越境EC(イーコマース)も急増している。このように安い物価の日本に、世界の需要が集中し、国内景気を活性化させるだろう。既に設備投資計画はバブル前も含めて過去最高水準の伸びを見せている。政府は円安を日本再生の切り札として内需拡大政策へと大きく舵を切る時だ。

潮流銘柄は?

潮流銘柄は三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、第一生命ホールディングス(8750)、ニトリホールディングス(9843)

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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