米S&Pは過大評価【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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金融引き締めへの警戒

米国では金融引き締めへの警戒感が高まっている。
米金利先物の値動きから市場の金融政策見通しを測る「フェドウオッチ」によればターミナルレート(利上げの最終到達点)は6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)において5.25~5.50%に達するとの見通しだ。その後は2023年末までその水準を維持すると見込まれており、米連邦準備理事会(FRB)が22年12月のFOMCで示した23年末に5.00~5.25%とする政策金利見通しを上回る。

後発組による金融政策の見通し修正が相次ぐ

欧米金融機関の間では後発組による金融政策の見通し修正が相次ぐ。これまでは3月に25bpの利上げを実施し、ターミナルレートは4.75~5.00%と見込んでいた。JPモルガンは2月27日付リポートで「歴史は、現在の実質金利の水準ではS&P500のマルチプル(想定倍率)が2.5倍過大評価されていることを意味している」と指摘。

中銀による株式市場へのサポートは過去のもの

ここ数カ月におけるバリュエーションの拡大には日銀と中国人民銀行による資産拡大の影響が大きかったといい、先行きは日銀が政策修正方向にあることや3月から欧州中央銀行(ECB)が量的引き締め(QT)を開始すること、米英の中銀がQTを継続していることを踏まえると、中銀による株式市場へのサポートは「過去のものとなる可能性が高い」との見解を示した。

米長期金利は節目の4%が目前

米10年債国債利回りから市場が織り込む将来の予想インフレ率(ブレーク・イーブン・インフレ率=BEI:10年)を差し引いて算出した実質金利は2月に上昇に転じ、その一方でS&P500のPERはピークアウト感があることから、この傾向に拍車がかかる可能性がある。
米長期金利は3.98%と昨年11月以来の高水準だ。2月初めには3.5%を下回っていが、1カ月足らずで0.5%あまり水準を切り上げ、節目の4%が目前となっている。

日本株にも重要な局面

米雇用統計やインフレ指標の上振れによる金利の上昇と連動して米株相場は下げ基調となった。ダウ平均は2月に月間で4%下落し、多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は2%あまり下げた。S&P500種(28日は3970)は長期のトレンドを示す200日移動平均(28日時点で3940)を割り込めば、円安で底固い日本株にも売り圧力が強まる。重要な局面を迎えることになる。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はミタチ産業(3321)、スズデン(7480)、ナ・デックス(7435)

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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