金融危機は起こらない【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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政策金利見通しは昨年12月の予想を維持

米連邦準備理事会(FRB)は22日まで開いたFOMCで0.25%の利上げを決め、政策金利を4.75~5.00%とした。四半期に一度公表する政策金利見通しでは、2023年末時点で5.1%(中央値)と前回の昨年12月の予想を維持した。

銀行システムが健全で耐性を備えている

FRBのパウエル議長は記者会見で「FOMCの参加者は年内の利下げを想定していない」と述べた。声明文では米国の銀行システムが健全で耐性を備えているとし、さらに追加利上げの可能性を示唆したが、直近発生した問題で成長が圧迫される可能性も指摘した。パウエル議長の記者会見では、最近銀行業界で起きた事象は経済に影響する可能性もあり、そうした場合に金融政策をどう対応させるかの判断はまだ時期尚早とした。

利上げの出口は近い

また、イエレン米財務長官が上院公聴会で「銀行預金の全面的な保険や保証に関することは検討も議論もしていない」と述べた。この結果を受けて米国株とドルが売られた。一方、債券は買われた。この動きを見る限り利上げの出口は近い。5月の利上げが最後か見送りになるだろう。

過去の金融危機とは全く違う

米シリコンバレーバンク(SVB)と米銀シグネチャー・バンクの破綻で、リーマン・ショックや日本の金融危機を結びつける人もいるが、今回の米国地銀株急落は、金融システム不安が顕在化する中で発生した過去の金融危機のような事象とは全く違う。金融危機が本当に発生しているなら、信用収縮が発生し、株式市場は全面安となり、経済危機に繋がる。何故なら、現在の資本主義は、信用貨幣資本主義で、経済の成長は負債の増加による資産の増加によって生み出されるからだ。

グロース株は堅調な動き

負債という信用貨幣の増加が、同額の資産を生み出し、その過程で発生したフローの利益が資本として社会に蓄積されていくのである。この現在の資本主義の仕組みを理解していれば、今はその兆候は市場からは全く見られない。今回の銀行株のような一部の株価の急落は、経済危機を表すものではない。米GAFAMなどグロース株は金融株が急落する中でも堅調な動きとなっており、米FOMCで利上げ後の米株式市場で画像処理半導体のエヌビディアが上昇して終えた。23日の日本市場でも半導体のアドバンテストが22年9カ月ぶりの高値を付けているのだ。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はリネットジャパングループ(3556)、スマートドライブ(5137)、JTP(2488)。

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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