リセッションは杞憂に終わる【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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米国のリセッションリスク

米国のリセッションリスクが高まったと再び先行き懸念を指摘し始めている。2月の雇用動態調査(JOLTS)では求人件数が約993万件と2カ月連続で減り、市場予想に届かなかった。1000万件を下回るのは21年5月以来で、逼迫していた労働需給が緩和に向かうとの見方が景気懸念につながった。3月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数も20年5月以来の水準に低下するなど、ここにきて急に景気減速を示す経済指標の発表が増えている。

在庫調整が予想以上に長引いているだけ

ただ、製造業の低迷は、新自由主義的政治・経済システム下で発生したような景気悪化による需要低迷ではなく、インフレによる消費者の選別消費の影響とコロナ特需の剥落であり、在庫調整が予想以上に長引いているだけだ。一方で、サービス需要は、今後も堅調を維持すると考えられる。経済成長を分析する上で名目と実質の違いを戦後の経済環境から理解しておらず、景気を数量ベース、つまり、実質GDP成長基準で判断するので、経済予測の精度は明らかに低くなっている。

高い名目GDP成長率

米国の22年4QGDP統計の改定が行われたが、下方修正となったとはいえ、実質GDPは+2.6%、名目GDPは+6.6%となっている。高い名目GDP成長率をみれば、米国経済が予想以上に堅調な理由も分かる。また、この経済統計から割り出したGDPデフレーターは、+4%となっている。

長期の実質金利は、マイナス金利状態

ホームメイドインフレ(国内の供給原因によるインフレ)を用いたインフレ指標での長期の実質金利(物価上昇率を加味する)は、マイナス金利状態だ。名目金利(物価上昇率を加味しない)は高いが、実質金利はディマンドプル・インフレ(需要サイドに要因があるインフレ)の影響により低い水準だ。

安くなれば買いチャンス

また、ディマンドプル・インフレにより均衡実質金利(中立的な金利水準)も従来よりも上昇している。だから、均衡実質金利と実質金利のギャップは未だに大きいと予想されるため、FRBははっきりとハト派姿勢に転じないのだ。SVBショックから一番戻りが早かったハイテク株を中心に売り圧力が強まっているが、安くなれば買いチャンスと捉えたい。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はC&Gシステムズ(6633)、イメージワン(2667)、エーアイ(4388)。

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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