YCCの運用柔軟化
日銀は31日の金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の運用柔軟化を決めた。長期金利の上限は1%を「めど」とした。
長期債を対象に利回り1%で原則、毎営業日実施する「連続指し値オペ(公開市場操作)」で長期金利の上限を厳格に抑えることは副作用が大きくなりうるとして、大規模な国債買い入れと機動的なオペで金利を操作するよう見直す。この結果を受けて日経平均は3万600円から3万1000円に迫った。
身構えたほどの修正内容ではなかった
外国為替市場で円相場は1ドル=149円30銭台から150円台へと円安が加速した。市場が身構えたほどの修正内容とならず、マイナス金利政策の解除など大規模緩和の正常化は遠いとの受け止めが広がったようだ。植田日銀総裁は記者会見で物価安定の目標実現について、不確実性が高く、現時点では十分な確度を持って物価安定の持
続的・安定的実現を見通せる状況に至っていないとも述べた。
YCC撤廃に動く確率はやや後退?
その上で、賃金の上昇が物価、サービス価格等を引き上げることが重要であるとし、来年の春季労使交渉(春闘)に注目した。市場からは、日銀の次の政策修正はマイナス金利とYCCの撤廃であり、時期は春闘の結果を受けた24年4月との声が多く聞かれる。植田日銀総裁は賃金と物価の好循環を見極める情報やデータが年内にもそろう可能性があると述べていたが、今回の会見を受け、12月の金融政策決定会合でマイナス金利とYCCの撤廃に動く確率はやや後退したものとみられる。
決定的な証拠が必要だが・・・
マイナス金利から脱却する前に、来年の賃金上昇が力強いものであるという決定的な証拠が必要である。12月会合ではまだこの確証が得られない可能性が高い。依然として、日米間では大きな金利差が生じ続ける可能性があり、このことが今回のYCC運用柔軟化にもかかわらず円高が進行しない要因となりえる。
日経平均は3万500円水準が大底
日銀の金融政策決定会合が終わった翌日、11月1日の日経平均は742円高の3万1601円
と大幅上昇で終えた。円相場は1ドル=151円70銭台と更に円安が進んだ。海外ヘッジファンドやCTAといった投機筋が株価指数先物を買い戻した動きとなった。これで、日経平均は3万500円水準が大底であったと言えるだろう。
潮流銘柄は?
潮流銘柄は大気社(1979)、豊田自動織機(6201)、TOWA(6315)。
岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール
マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。
代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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