市場と対話できない植田日銀総裁【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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減額する以上、相応の規模

日銀の植田総裁は6月14日の金融政策決定会合後の記者会見で国債買い入れについて「減額する以上、相応の規模となる」と語った。さらに植田氏は「7月会合までの情報次第で短期金利の引き上げは当然あり得る」と発言。金融政策運営を巡り「経済・物価見通しが上振れたり、上振れリスクが高まる場合も利上げの理由になる」と説明した。

次回会合で具体的な減額計画を決定

日銀は次回7月30~31日の会合で今後1~2年程度の具体的な減額計画を決定する。今夏以降に保有国債を減らし、事実上の量的引き締め(QT)に移行する。市場関係者は7月の利上げは予想していなかったが、植田氏の利上げ発言で株式市場に警戒感が強まった。
14日の大引け後、植田総裁の会見が始まってからイブニング市場で日経225先物は3万8800円台から3万8200円台まで600円急落した。翌営業日、6月17日の日経平均は800円超急落し、3万8000円の大台を割れ込んだ。

植田総裁は自分の発言の影響を理解できているか?

植田総裁は自分の発言内容が市場にどの程度影響を与えるか分かってないようだ。4月26日の金融政策決定会合後の記者会見では記者から「円安の基調的な物価上昇率への影響は無視できる範囲だったという認識でよいか」と問われると、植田氏は「はい」と答えた結果、1ドル=160円台まで円安が進み、政府・財務省との認識の違いを露呈した。岸田総理からも指摘されたようで、その後の植田氏の発言内容は明らかに自分の考えと違っている。

間違った政策を行なえば大きなダメージ

日銀総裁が市場から信認されなくなると株式市場にとって大きなマイナスだ。物価や金融システムを安定化させるために日銀は金融政策の運営を担っている。日銀総裁が間違った政策を行なえば、日本経済に大きなダメージを与える。1990年のバブル崩壊後の日本経済の衰退、失われた30年は日銀と政府の間違った金融・財政政策が要因である。

信頼高いFRB

一方、米国では中央銀行であるFRBに対する市場からの信頼は非常に高い。FRB議長は市場の動きを注意深く見ながら金融政策を打ち出す。市場との対話が求められるのだ。アメリカの株式市場が過去最高値を更新し続けることができている大きな要因である。市場との対話が出来ていない植田総裁の発言に市場は神経質になりそうだ。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はピー・シー・エー(9629)、ウェルネット(2428)、三洋工業(5958)。

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
2024年 3月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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