円高が株価急落をもたらす【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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調整入りの目安10%を超え

日本株の下げが厳しい。7月25日の日経平均株価は1285円(3.28%)安の3万7869円で終えた。4月26日以来、3カ月ぶりに心理的節目の3万8000円を下回った。7月11日に付けた史上最高値(4万2426円)から9日間で4557円下げ、下落率は10.8%に達し、調整局面入りの目安とされる10%を超えた。

買い戻しが円高加速

外国為替市場では円高・ドル安が止まらない。7月3日に1ドル=161円95銭だったが、25日には1ドル=151円台と、約10円も円高が進んだ。財務省の指示で日銀が行なった円買い介入と日銀の早期利上げ観測の強まりで、積み上がってきた円の売り持ち高を解消するための買い戻しが円高を引き起こしている。日銀が30~31日に開く金融政策決定会合で「追加利上げの是非を議論する」との一部報道が7月24日夜に伝わった。25日の債券市場では長期金利が一時1.100%まで上昇(債券価格は下落)し、今年の最高水準に並んだ。日銀が追加利上げを決めるとの思惑から債券売りを促した。

日本株の急落を引き起こしたきっかけは?

CTA(商品投資顧問)など海外ヘッジファンドが債券先物や金利スワップを使って金利上昇に賭けるポジションを取った。同時に「円買い・225先物売り」のプログラム売買を拡大させたことで日本株の急落に繋がった。そもそも日本株の急落を引き起こしたきっかけは7月11日と12日に行った円買い介入だ。介入を指示したのは財務省の神田財務官だ。円安が輸入品の価格上昇を引き起こしていることを懸念した対応である。

誤った政策で日本経済が崩壊

神田氏は「円の信任を確保するためには日本経済自身を強じん化させる努力をやっていかなければいけない」と言うことは正しい。しかし、実際やっていることは真逆で日本経済を弱体化させるものだ。あまりにも安易な対応で、さすが日本経済を衰退させた財務省だけある。円高が日本の製造業の海外移転と空洞化をもたらし、デフレ経済を招いた。日本の失われた30年は円高が大きな要因である。日本経済は円安にならなければ成長できない仕組になっている。神田財務官は7月末で退任する。誤った政策で日本経済が崩壊しても財務省には何の責任もない。政府や日銀にも責任が発生しないため、的確な判断と解決手段が生まれないのである。

潮流銘柄は?

潮流銘柄は日立(6501)、TDK(6762)、伊藤忠(8001)。

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
2024年 3月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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