暗黒の月曜日
８月５日の日経平均株価は史上最大の下げ幅４４５１円安（下落率１２．４％は歴代２位）となり、１９８７年１０月２０日のブラックマンデーを彷彿させる「暗黒の月曜日」となった。
ストップ安が８００銘柄にも及んだ。時価総額が５０００億円以上の大型株ですらストップ安が続出し、「売りたくても売れない」状態が起こった。信用取引の追証や強制決済が発生し、ストップ安でも売らなければならない人たちが投げ売りし、売りが止まらなくなった。
８月６日は一転して過去最大の上げ幅
９日時点の信用取引の買い残では、前週比で９０８６億円も減少した。追証や強制決済を回避するための売りが殺到した証拠だ。ところが、翌８月６日は一転して３２１７円高（上昇率１０．２％は歴代４位）と過去最大の上げ幅で急騰した。８月７日には日銀の内田眞一副総裁が「金融資本市場が不安定な状況で利上げすることはない」と明言した直後から、日経平均は約２０００円戻した。さらに、８月１６日は１３３６円高と大幅に上昇し、３万８０００円の大台に乗せた。
先行きの判断が難しい
７月１１日の史上最高値４万２２２４円から８月５日の３万１４５８円まで１万７６６円の下落（下落率２５．５％）に対して６１％戻したことになる。二番底を想定していた投資家は想定外の戻りに先行きの判断が難しい状況となっている。８月第１週（５日～９日）に海外投資家が５２１９億円買い越した。
ここからは戻り待ちの売りが出やすい
暴落局面で買いを入れた海外投資家は暴落前に売りを仕掛けていた。海外投資家の日本株売却額は３１兆３３９５億円で過去最大、購入総額は３１兆８６１３億円でこちらも過去最高だ。日経平均は３万８０００円～４万円の価格帯で売買代金が大きく積み上がっているため、この水準では上値が重く、戻り待ちの売りが出やすい状況になる。
円安になることが条件
３万８０００円より上の累積売買代金は約４９０兆円で、このうち３万８０００円～３万９０００円が約２３０兆円と、最も積み上がっているゾーンとなる。日経平均に与える影響力の大きい海外短期投機筋（ヘッジファンドやＣＴＡ）が買いポジションを本格的に再構築する兆しが指摘されており、累積売買代金の多いゾーンを突破するだけの売買エネルギーが盛り上がるかがカギとなりそうだ。海外短期投機筋が買いポジションを構築するには円安になることが条件となる。
潮流銘柄は？
潮流銘柄は日立製作所（６５０１）、ファーストリテイリング（９９８３）、ＴＤＫ（６７６２）。
岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール
マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。ＮＨＫ番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。
代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期（98年11月16日～99年2月15日）で、1億円の資金を1億3112万円（運用期間年利回り124％）に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株－１グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘！！株-１（カブワン）グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-１グランプリ」で優勝。
2024年 3月 夕刊フジ主催「株-１グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。
提供：株式市場新聞社 marketpress.jp
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