利上げが株価暴落と無関係?
8月23日に行なわれた国会の閉会中審査で、植田総裁は8月はじめの株価暴落は米国景気の悲観論が急速に拡大した点が主因と述べた。
日銀が行なった利上げが株価暴落に繋がったとは一言も述べていない。鈴木財務相も植田氏と同じ回答である。恐らく事前に示し合せていたのだろう。今回の株価暴落は日銀の利上げがきっかけで起きたことは明白である。なのに利上げが株価暴落と無関係であるかのような発言は日銀の金融政策を正当化するための責任転嫁である。
金融市場の分析がまともにできない植田総裁と鈴木財務相にこの国の重要な金融・財政政策を任せることは日本にとって不幸なことである。
NYダウは最高値を更新している
また、23日にカンザス連銀主催の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が開催された。パウエル議長は今回の講演で「金融政策を調整する時が来た」と利下げに踏み切る考えを示した。ニューヨーク市場は景気や企業業績にプラスに働くという見方が広がり8月26日に米国ダウ平均は過去最高値を更新した。植田日銀総裁が言うような米国の景気後退が暴落の主因なら米国株が過去最高値を更新することはないだろう。
円買い介入時点で暴落は始まっていた
日本株の暴落は既に日銀が円買い介入を行なった日から始まっている。7月11日と12日に財務省からの指示で円買い介入を行った。7月11日に日経平均は過去最高値を更新し4万2426円を付けていたが、円買い介入をきっかけに日本株が急落。投機筋(ヘッジファンドやCTA)は「円買い・225先物売り」を拡大させた。
外為市場では7月3日に1ドル=161円95銭まで進んだ円安が7月25日には1ドル=151円台まで円高が進み、日経平均は3万8000円の大台を割れ込んだ。既にこの時点で日経平均は過去最高値から4,600円(10.8%)も暴落している。この間、米ダウ平均は上昇している。
日銀と財務省の無策
円高は日本のハイテク株には売り材料だ。日経平均寄与度の高い銘柄がハイテク株に多いため、投機筋は「円買い・225先物売り」のプログラム売買を仕掛けやすい。そこに利上げという絶好の「円買い・225先物売り」を仕掛けるきっかけを投機筋に与えたのが日銀である。
今回の株価暴落は日銀と財務省の無策が引き起こした。
潮流銘柄は?
潮流銘柄は帝国通信工業(6763)、センコーグループHD(9069)、杉本商事(9932)。
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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