トランプ大統領の弱み【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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即時の利下げを要求

4月17日、トランプ大統領はパウエルFRB議長を「一刻も早く解雇すべきだ」と発言。その後もトランプ氏は「利下げの判断が遅すぎる男」と非難し、「今すぐ政策金利を引き下げない限り、経済は減速するかもしれない」と即時の利下げを要求した。

わずか5日で発言撤回

米国市場では米大統領がFRBの独立性を傷つけ、米国資産に対する国内外の投資家からの信認を損なう懸念が高まった。4月21日の米国市場で米ダウ平均は一時1300ドル以上急落。米ドルは約3年ぶりの安値を付けた。米国債が売られ、米長期債利回りが上昇。「トリプル安」を招いた。すると、トランプ大統領は22日、パウエルFRB議長について「解任するつもりはない」と述べた。解任を要求した自身の発言が株と国債の急落につながったことで、わずか5日で自分の発言を撤回したのだ。

高関税率に危機感

トランプ大統領が自分の発言を直ぐに撤回したことはこれで2回目だ。1回目は4月9日にトランプ大統領が発動した相互関税を一部の国・地域で90日間停止すると表明。トランプ大統領は関税の発動からわずか13時間あまりで一時停止を決めた。この時も予想以上の高い関税率に米国市場で株価が大幅安となり、国債が売られ、金利が大幅上昇となった。この時は高関税率に危機感を持った政府効率化省(DOGE)を率いるイーロン・マスク氏は関税政策の撤回をトランプ氏に直訴した。

米国債急落と金利急上昇を放置すれば?

さらに、国債の急落と金利急上昇に危機感を持ったベッセント財務長官は直ぐにトランプ大統領に会いに行って状況を説明した。米国債は世界で最も安全な証券とされ、25兆ドル(約4320兆円)規模の米国債市場は世界金融の基盤を形成する。その米国債の急落と金利急上昇を放置すれば世界大恐慌に繋がる可能性が高まる。

トランプ大統領の金融資産の6割は債券

ウォール街出身でヘッジファンドを経営していたベッセント財務長官は金融市場の仕組を熟知している。さすがに「アメリカ売り」に対してトランプ大統領は「ヤバイ」と思い、相互関税を撤回した。トランプ大統領の金融資産の6割は債券という。自分の資産が減少することを回避したかったのかもしれない。これで分かったのは、トランプ大統領は米国株と債券が大幅安になるような政策は控えるということだ。

潮流銘柄は?

潮流銘柄は任天堂(7974)、キーエンス(6861)、ファナック(6954)

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
2024年 3月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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