潮流|証券市場新聞

個人投資家が混乱する要因に

8月1日の新興企業向け株式市場で、東証マザーズ指数が急落した。終値は前日比45.65ポイント(3.95%)安の1108.87と下落率は米大統領選があった2016年11月9日の「トランプ・ショック」以来、約9カ月ぶりの大きさになった。指数は6月6日以来、およそ2カ月ぶりの安値だ。
大阪取引所では東証マザーズ指数先物の売買が大きく膨らんだ。売買高は4669枚と日中の売買高としては2016年7月19日の上場以来、最大となった。これまでの最高は上場初日の2847枚だった。通常は1日に200~500枚程度だ。多い時で1000枚を超える日がたまにある。
1日の売買高は通常の約10倍に膨らんだことになる。一方、日経ジャスダック平均株価の終値は38円26銭(1.15%)安の3301円だった。同じ新興市場なのにマザーズ市場だけが何故これほどの急落をしたのか。それは、ヘッジファンドがマザース指数先物に仕掛け的な大口売りを出したからに他ならない。信用売りができないマザーズ銘柄は多く、現物株の下落に伴う損失を回避するために先物に売りが膨らんだ。自らの首を絞めているようなものだ。この日の日経平均は60円高で終えている。前日の米ダウ工業株30種平均は60ドル(0.3%)高の2万1891ドルと過去最高値を更新した。日本の新興市場に影響を与えるナスダック総合株価指数は0.4%安程度の下げに留まった。マザーズ市場がこれほど大幅下落する理由など無いのだ。
日経平均は6月から2カ月間、2万円を挟んだこう着状態が続いている。そのような中、個人投資家やディーラーは新興市場の個別銘柄を物色して利益を上げていた。唯一、買いで利益を上げることのできる新興市場が崩れると個人投資家は相当大きなダメージとなる。ヘッジファンドは個人投資家の心理を逆手に取って、マザーズ指数先物に大口売りを出したのだろう。先物がないジャスダック指数の下げはたいしたことは無かったことでも分かる。ヘッジファンドなどの投機筋は先物を利用して市場を混乱させることは常套手段だ。現物の売買が中心で商いが薄い新興市場に先物を導入すると今回のように振れ幅が大きくなって、投資家が混乱する結果を招く。昨年7月に導入されたマザーズ先物は個人投資家にとって害はあっても利は無い。
潮流銘柄はココカラファイン(3098)、戸田工業(4100)、土木管理総合試験所(6171)。

 

 

 

◆岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール◆

1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて約1万人の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催、
ゴールドマン・サックス投信・クレディスイス投信・野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、
プロの運用担当者などを含む1万人以上の参加者を集めて実施。
コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)は日本株式市場がバブル後最安値を付けに行く最悪の環境にもかかわらず、
1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に殖やすという脅威の成績をあげ文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2ヶ月間で1億円の資金を2億1600万円に増加させ、6位入賞。
1999年12月8日にマーケットバンク設立。17年以上にわたって株式投資で安定した高パフォーマンスを継続して出すことのできる
画期的な運用手法とサービスを提供している。

2002年1月にNHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
直近では2017年1月に始まった夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
1ヶ月間で3銘柄の合計パフォーマンスを競います。最終のパフォーマンスは155%と断トツの結果。
週刊現代、週刊ポスト、夕刊フジ、ネットマネー、月刊カレントなど幅広く執筆活動を行っている。

 

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