【潮流】岡山 憲史~日経平均の調整は完了

潮流|株式市場新聞

「円安・ドル高」に変化ナシ

日経平均は9月8日の安値1万9239円から11月9日の高値2万3382円まで4143円(21.5%)上昇した。9月からの上昇は、マクロ系ヘッジファンドによる、売り投機からドテン買いに転換したことで10月の急騰をもたらしたのである。
クレディ・スイスの10月のヘッジファンド指数を見ると、マネージド・フューチャーズのパフォーマンスが異常に高かった。10月のリターンは、何と+5%に達していた。9月の上昇相場では-2.6%だったことから、マネージド・フューチャーズがドテン買いを行なったことがこの数値から読み取れる。だから、先物主導でハイテク大型株相場になったのだ。
日経平均が11月9日に高値を付けた後は11月16日に2万1972円まで1410円(6%)下落した。この下げで調整は完了したといって良いだろう。米国株式市場は11月から調整していたが、11月16日の米国株式市場は大幅反発し、ハイテク銘柄が多いナスダック総合指数は過去最高値を更新した。日経平均は17日に2万2757円まで回復した。11月9日に売りを仕掛けたヘッジファンドもこれ以上の売りは無理があると判断したのだろう。大型株に変わって小型株の多いジャスダックやマザーズ市場の銘柄が買われている。21日の日経ジャスダック平均株価は約3週間ぶりに年初来高値を更新した。1990年8月3日以来27年3カ月ぶりの高値となった。大型株から小型株へ資金が流れることは自然な流れである。本格的な調整の場合は新興市場の銘柄も下落する。ハイテク大型株が売られている理由はもう一つある。円高が進んだということだ。
11月6日に1ドル=114円73銭まで進んだ円安が20日には1ドル=111円88銭まで2円85銭も円高に動いた。この動きは、投機筋による「円買い・225先物売り」といったプログラム売買というテクニカル的な要因と来年2月にイエレンFRB議長の後任として利上げに慎重なパウエル理事が就任することが決まったからだ。ただ、パウエル理事はイエレン議長の政策に対しては過去一度も反対したことは無く、利上げ路線は維持されるだろう。異次元の量的緩和金融政策を維持する黒田日銀総裁と緩やかに利上げを行う米国では「円安・ドル高」に変わりない。
潮流銘柄は、ソレイジア・ファーマ(4597)、ワコム(6727)、テックポイント(6697)。

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて約1万人の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催、
ゴールドマン・サックス投信・クレディスイス投信・野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、
プロの運用担当者などを含む1万人以上の参加者を集めて実施。
コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)は日本株式市場がバブル後最安値を付けに行く最悪の環境にもかかわらず、
1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に殖やすという脅威の成績をあげ文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2ヶ月間で1億円の資金を2億1600万円に増加させ、6位入賞。
1999年12月8日にマーケットバンク設立。17年以上にわたって株式投資で安定した高パフォーマンスを継続して出すことのできる
画期的な運用手法とサービスを提供している。

2002年1月にNHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
直近では2017年1月に始まった夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
1ヶ月間で3銘柄の合計パフォーマンスを競います。最終のパフォーマンスは155%と断トツの結果。
週刊現代、週刊ポスト、夕刊フジ、ネットマネー、月刊カレントなど幅広く執筆活動を行っている。

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