リフレ・レジームの再構築【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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岩田規久男前日銀副総裁が振り返る5年間の金融政策

今年3月に退任した岩田規久男前日銀副総裁が5年間の金融政策を振り返り感想を述べた。
「異次元緩和の効果の起点は予想実質金利の引き下げだった。2%の物価上昇を日銀が約束することで予想インフレ率を引き上げ、国債買い入れにより名目金利を下げる。これが株高・円安を促し、企業は生産や設備投資を拡大する、雇用も増やすという効果につながる。ところが消費増税と石油価格の暴落後、予想インフレ率が上がらなくなり、実際の物価も上がりにくくなった。設備投資や輸出が順調に伸びたのに対し、個人消費の伸びは鈍いままだった。消費増税を前提とせずに2年で2%を達成するためにはどの程度の金融緩和が必要かと計算していた。消費増税には経済状況を踏まえて増税の可否を見極める景気条項が付いており、まさか、デフレ脱却に踏み出してわずか1年で増税はしないだろうと考えていた。消費の下押し圧力が非常に強かった」と言う。

財政緊縮を急いではだめだ

日銀は14年10月に追加緩和に踏み切った。さらに、16年1月にはマイナス金利を導入。同年9月には「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」政策を始めた。19年の消費増税に対して岩田氏は「政治的に消費増税は避けられないなら、せめて増税分を財政赤字の削減にあてるのではなく、需要喚起のため全額使い切るべきだ。財政が経済を下押ししないようにしないと、外的・内的ショックで需給ギャップさえ縮まらない事態に陥りかねない。財政緊縮を急いではだめだ」と述べている。

政府は日銀と政策協定を結び直すべき

さらに「財政再建を遅らせろとは言わない。デフレ脱却前に増税しない方が、政府債務の比率は下がる。今は財政緊縮のスピードを落とさなければリフレ・レジームを再構築できない状況だ。政府は財政赤字の縮小幅を縮めると宣言し、日銀と政策協定を結び直すべきだ」と言う。

政府と日銀のゆるぎない取り組みで株式市場は激変

若田部昌澄副総裁はインフレ率2%の達成には「アベノミクスの再起動と改善である。その要点はリフレ・レジームの再確認と進化だ」と言っている。政府と日銀は完全にデフレから脱却するまでは消費増税は行わない。さらなる量的緩和金融政策を継続すると宣言すべきだ。政府と日銀のゆるぎない取り組みができれば日本の株式市場は激変するだろう。

潮流銘柄は

潮流銘柄はトレンダーズ(6069)、イノテック(9880)、綜研化学(4972)。

4月23日「潮流」3銘柄の解説|岡山 憲史【株式投資テレビ】も併せてご視聴ください。




岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて約1万人の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催、
ゴールドマン・サックス投信・クレディスイス投信・野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、
プロの運用担当者などを含む1万人以上の参加者を集めて実施。
コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)は日本株式市場がバブル後最安値を付けに行く最悪の環境にもかかわらず、
1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に殖やすという脅威の成績をあげ文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2ヶ月間で1億円の資金を2億1600万円に増加させ、6位入賞。
1999年12月8日にマーケットバンク設立。17年以上にわたって株式投資で安定した高パフォーマンスを継続して出すことのできる
画期的な運用手法とサービスを提供している。

2002年1月にNHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
直近では2017年1月に始まった夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
1ヶ月間で3銘柄の合計パフォーマンスを競います。最終のパフォーマンスは155%と断トツの結果。
週刊現代、週刊ポスト、夕刊フジ、ネットマネー、月刊カレントなど幅広く執筆活動を行っている。

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