CTAのアルゴに翻弄されるな【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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CTAなどによる短期筋が先物売り

 5月23日にヘッジファンド(CTA)などの短期筋が先物売りを膨らませた。
 23日の日経平均先物の日中売買代金は1兆7282億円と、前日に比べほぼ倍増した。出来高も5万5100枚と前日の2万2720枚の2倍以上だ。この日、日経225先物は240円安で終えた。日経平均の急落の流れに追随して自動的に売買するCTA(商品投資顧問)による大口の売りが下げを増幅させた。

先物売りが増えると現物株の裁定解消の売りも膨らむ

 東証が23日発表した先物取引に伴う現物株の裁定買い残は2兆6895億円と3月下旬に比べ倍増。先物売りが増えると現物株の裁定解消の売りも膨らみやすくなっていた。24日も投機筋による売りが止まらなかった。24日の日経225先物は310円安い2万2410円だ。僅か2日間で650円も急落し、25日移動平均である2万2504円を割れ込んだ。

「日経平均VI指数買い・円買い・225先物売り」のプログラム売買

 日経225先物の出来高は4万5102枚と大商いだ。CTA(商品投資顧問)は「日経平均VI指数買い・円買い・225先物売り」のプログラム売買を自動的に行うアルゴを利用して日経平均を急落させた。相場の変動率を示す日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)という言葉が頻繁に使われるようになったのは2月からの大幅な下げ相場の時だ。

相場変動率の上昇と株安の連鎖

 日本と米国株式市場は「VIXショック」と呼ばれ、ヘッジファンドによる売り崩しが激しかった。この時も「日経平均VI指数買い・円買い・225先物売り」のプログラム売買が日本株式市場を襲った。5月22日の日経平均VI指数は14.21と今年1月中旬の水準と平常状態であった。しかし、24日には一時18.26まで急騰し、4月中旬以来の高水準を付けた。2月初めに日米で「VIXショック」が起きた時も、日経平均VIが18を超えたところから相場変動率の上昇と株安の連鎖が始まった経緯がある。

今回は日本だけがCTAの標的

 しかし、今回は日本だけがCTAの標的にされて、米国市場でVIXは高まっていない。23日の米国VIX指数は12.58と22日の13.22からむしろ下落しているのだ。米中通商交渉や米朝首脳会談の開催をめぐる不透明感や加計学園の新文書問題など投資家を弱気にさせるニュースを機にヘッジファンド(CTA)は売りを仕掛けた。ゲーム感覚でアルゴを利用するCTAに翻弄されてはいけない。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はリンクアンドモチベーション(2170)、エー・アンド・ディ(7745)、アルヒ(7198)。

5月28日「潮流」3銘柄の解説|岡山 憲史【株式投資テレビ】も併せてご視聴ください。

 




岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて約1万人の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催、
ゴールドマン・サックス投信・クレディスイス投信・野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、
プロの運用担当者などを含む1万人以上の参加者を集めて実施。
コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)は日本株式市場がバブル後最安値を付けに行く最悪の環境にもかかわらず、
1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に殖やすという脅威の成績をあげ文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2ヶ月間で1億円の資金を2億1600万円に増加させ、6位入賞。
1999年12月8日にマーケットバンク設立。17年以上にわたって株式投資で安定した高パフォーマンスを継続して出すことのできる
画期的な運用手法とサービスを提供している。

2002年1月にNHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
直近では2017年1月に始まった夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
1ヶ月間で3銘柄の合計パフォーマンスを競います。最終のパフォーマンスは155%と断トツの結果。
週刊現代、週刊ポスト、夕刊フジ、ネットマネー、月刊カレントなど幅広く執筆活動を行っている。

株式情報と相場見通し

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