CTAが大規模な相場操縦【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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説明がつかない原油高・銅安を主導しているのはCTA

国際商品市場で原油価格の上昇が続いている。反面、銅相場の下落に歯止めがかからない。
原油も銅も世界の経済情勢を反映しやすいが、足元の動きは真逆だ。ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)からは説明がつかない原油高・銅安を主導しているのは、コンピューターを使ってプログラム売買する投機筋の商品投資顧問(CTA)だ。

CTAの主な標的はWTI原油先物とNY商品取引所

ニューヨーク市場のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物は7月3日に一時1バレル75.27ドルと2014年11月下旬以来、約3年7カ月ぶりの高値を付けた。CTAの主な標的はWTI原油先物とNY商品取引所(COMEX)の銅先物とみられる。

原油買いは説明がつかない

WTIの上昇が進む一方でCOMEX銅が6月以降、下げ足を速めている。銅や原油は中国の景気に左右されやすい。米国と中国が7月6日にそろって追加関税を発動し、米中の貿易摩擦激化が予想される中、中国景気を冷え込ませて資源需要の減退につながるとの懸念から、銅を売っている。ただ、原油買いは説明がつかない。

今年前半の成績不振が背景

CTAが原油買い・銅売りを進める背景には今年前半の成績不振があるという。商品市場は、他の市場に比べて市場規模が小さいため、思った方向に相場を動かしやすい。CTAは起死回生を狙い、巨額の資金を集中投下させるときに選んだのが原油と銅だった言う訳だ。しかし、力任せで相場操縦して作られた価格が長く続くことは無い。

「225先物とドル円」のプログラム売買で相場操縦

現在の日本株式市場もCTAやヘッジファンドといった投機筋が自分の都合の良いように「225先物とドル円」のプログラム売買で相場操縦している。株式市場が何の理由もなく乱高下することがよくあるが、その原因はCTAによるプログラム売買だ。頻繁に行うのは「円買い・225先物売り」のプログラム売買だ。その他にも「日経VI指数買い・225先物売り」や「中国株式指数売り・225先物売り」などその時に最も動かしやすい指数先物と225先物のプログラム売買を行う。プログラム売買は大規模な相場操縦に等しい。日本の市場は適度な出来高と取引し易い市場があるので投機筋には好都合なのだ。投機筋のプログラム売買を野放しにしていることが日本にとって甚大な損失である。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はアイビーシー(3920)、アルヒ(7198)、シュッピン(3179)。

7月9日「潮流」3銘柄の解説|岡山 憲史【株式投資テレビ】も併せてご視聴ください。




岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて約1万人の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催、
ゴールドマン・サックス投信・クレディスイス投信・野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、
プロの運用担当者などを含む1万人以上の参加者を集めて実施。
コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)は日本株式市場がバブル後最安値を付けに行く最悪の環境にもかかわらず、
1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に殖やすという脅威の成績をあげ文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2ヶ月間で1億円の資金を2億1600万円に増加させ、6位入賞。
1999年12月8日にマーケットバンク設立。17年以上にわたって株式投資で安定した高パフォーマンスを継続して出すことのできる
画期的な運用手法とサービスを提供している。

2002年1月にNHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
直近では2017年1月に始まった夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
1ヶ月間で3銘柄の合計パフォーマンスを競います。最終のパフォーマンスは155%と断トツの結果。
週刊現代、週刊ポスト、夕刊フジ、ネットマネー、月刊カレントなど幅広く執筆活動を行っている。

株式情報と相場見通し

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