セリング・クライマックス【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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16日間で13.2%下落

24日の米株式市場でダウ工業株30種平均とハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数が急落。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は重要な下値支持線となる2700ポイントを割り込んだ。
ダウ平均は10月3日の過去最高値(2万6951ドル)から9%下落した。米株市場の急落を受けて25日の日経平均は一時886円安の2万1204円まで急落した。10月2日に付けた2万4448円の高値から16日間で3244円も下落したことになる。率にして13.2%だ。

株が急落した背景は?

株が急落した背景には、米国企業収益の伸びがピークに達したとの見方、中国の景気減速への懸念、英国の欧州連合(EU)離脱の混乱、米国の利上げ加速観測など多くの材料が重なったことを理由に売りを仕掛けたヘッジファンドだ。株価指数関連のデリバティブ(金融派生商品)の売りを浴び、株式市場が大きく崩れた。しかし、今後株式相場がベア(弱気)相場に突入することはない。

ブル相場の中の一時的な修正

今回の急落はブル相場の中の一時的な修正である。これまで28カ月連続成長を続けてきた米景気が、2020年までリセッション(後退)に入るとは到底思えない。相場の調整は短期間で終わり、株価は再び上昇するだろう。米連邦準備理事会(FRB)は24日、全米12地区連銀が管轄する地域の経済情勢をまとめた米地区連銀経済報告(ベージュブック)を公表した。10月半ばまでの経済活動について「緩やか(modest)または穏やか(moderate)に拡大した」と総括した。製造業は穏やかな増産傾向を示し、輸送サービスの需要は引き続き強かった。全ての地区が労働需給の引き締まりと物価上昇、個人消費の緩やかな伸びを報告した。このように米国経済は至って良好である。ヘッジファンドとCTAといった投機筋が株価指数先物を売り浴びせたことが今回の急落の直接的な要因である。

引き金は投機筋の大口売りだった

特に日本株はバークレーズ証券経由でのヘッジファンドがTOPIX先物を大量に売り続け、クレディスイスなど投機筋も225先物に大口売りを継続して出したことで引き起こされたといって良いだろう。現在の株式市場はあらゆる指標が売られ過ぎの水準に到達、まさにセリング・クライマックスだ。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はFFRI(3692)、ラクスル(4384)、イーソル(4420)。

10月29日「潮流」3銘柄の解説|岡山 憲史【株式投資テレビ】も併せてご視聴ください。




岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて約1万人の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催、
ゴールドマン・サックス投信・クレディスイス投信・野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、
プロの運用担当者などを含む1万人以上の参加者を集めて実施。
コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)は日本株式市場がバブル後最安値を付けに行く最悪の環境にもかかわらず、
1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に殖やすという脅威の成績をあげ文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2ヶ月間で1億円の資金を2億1600万円に増加させ、6位入賞。
1999年12月8日にマーケットバンク設立。17年以上にわたって株式投資で安定した高パフォーマンスを継続して出すことのできる
画期的な運用手法とサービスを提供している。

2002年1月にNHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
直近では2017年1月に始まった夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
1ヶ月間で3銘柄の合計パフォーマンスを競います。最終のパフォーマンスは155%と断トツの結果。
週刊現代、週刊ポスト、夕刊フジ、ネットマネー、月刊カレントなど幅広く執筆活動を行っている。

株式情報と相場見通し

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