投資家不在の株式市場【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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自動売買では乱高下が当たり前

人が指図せずに機械的に自動運用されている資金は、17年に約17兆ドル(約1800兆円)となった。世界の運用総額に占めるシェアは約21%となる。現在は2000兆円規模に達した可能性があるという。
テクノロジーの発展で市場の自動売買は急速に進む。一方、人工知能(AI)は人による分析や検証が不可能なブラックボックス化の問題をはらむ。18年12月の1日あたりの変動率は過去最高となった。AIを使った自動売買ではこうした乱高下が当たり前のようになる。

投資というよりデータ・サイエンスの世界

米ゴールドマン・サックスは世界約4万人の従業員のうち、約4分の1がエンジニアだ。売買を約定させるプログラムに株価予測の人工知能(AI)を組み込んでおり、これが戦略の核になっているという。アナリストが企業を訪問して経営者に取材して投資判断を行うようなことはない。投資というよりデータ・サイエンスの世界だ。米国のデータセンターに売上高や利益、株価など世界2万社のデータを蓄積する。数理分析モデルは、このデータを分析し、株価の割安・割高を判断する。昼夜稼働して、世界各地に売買を指示する。

米国で急成長している「iシェアーズ エッジMSCI米国モメンタム・ファクターETF」

また、米国で急成長しているETFが「iシェアーズ エッジMSCI米国モメンタム・ファクターETF」だ。2018年末時点の純資産は約79億ドル(約8500億円)と5年前と比べて40倍に膨らんだ。モメンタム(勢い)の名前の通り、株価の勢いに自動で追随し、銘柄を入れ替える。こうした投資手法は「モメンタム運用」と呼ばれ、かつては数理分析を駆使するヘッジファンドなどの得意分野だった。ETFとなったことで、誰でも投資可能になり規模が拡大した。急落と急上昇を繰り返した年末年始の株式相場のように株価の振幅を大きくする要因となっている。

運用を決めるのは値動きの方向性と変動率

世界の先物商品などに投資する商品投資顧問(CTA)世界最大手のマン・グループは「トレンド・フォロー」と呼ばれる相場の勢いに追随する戦略が売り物だ。運用を決めるのは値動きの方向性と、変動率だ。約1100億ドル(約12兆円)の運用資金が自動売買される。各社のエンジニア独自のアルゴシステム運用が株式市場を支配し、投資家が不在となる現状が良い筈がない。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はベルトラ(7048)、アルヒ(7198)、エコモット(3987)。

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岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて約1万人の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催、
ゴールドマン・サックス投信・クレディスイス投信・野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、
プロの運用担当者などを含む1万人以上の参加者を集めて実施。
コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)は日本株式市場がバブル後最安値を付けに行く最悪の環境にもかかわらず、
1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に殖やすという脅威の成績をあげ文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2ヶ月間で1億円の資金を2億1600万円に増加させ、6位入賞。
1999年12月8日にマーケットバンク設立。17年以上にわたって株式投資で安定した高パフォーマンスを継続して出すことのできる
画期的な運用手法とサービスを提供している。

2002年1月にNHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
直近では2017年1月に始まった夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
1ヶ月間で3銘柄の合計パフォーマンスを競います。最終のパフォーマンスは155%と断トツの結果。
週刊現代、週刊ポスト、夕刊フジ、ネットマネー、月刊カレントなど幅広く執筆活動を行っている。

また、個人投資家に投資情報や個別銘柄の助言業務を行っている。

株式情報と相場見通し

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