財政支出が経済成長と株高もたらす【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
目次

3中銀の総資産は500兆円近く膨らむ

コロナ禍で米経済は10年8カ月続いた景気拡大期を終えた。世界銀行は2020年の世界経済の成長率がマイナス5.2%と第2次世界大戦後で最悪の景気後退になると伝えた。
しかし、日米の株式市場は過去最速のスピードで上昇している。経済の現状と株価の動きは真逆だ。経済危機を阻止するために、各国中銀は大規模な金融緩和で流動性を確保している。米連邦準備理事会(FRB)の総資産は7兆973億ドル(約770兆円)と3カ月で3兆ドル近く増加した。日銀も3カ月間で総資産は50兆円超増えるなど、欧州中央銀行(ECB)を含めた3中銀の総資産は今年に入り500兆円近く膨らんでいる。

過去最大の財政支出が株高をもたらす

FRBは社債や格付けの低いリスク資産を大規模購入している。戦後最大の大規模な経済対策で財政支出が急拡大し、過剰流動性が高まっている。米ナスダック総合指数は過去最高値を更新した。日経平均は2万3000円台に乗せ、ほぼコロナショック前の水準まで戻した。利益確定売りは出ても上昇トレンドは続くだろう。過去最大の財政支出が株高をもたらすのだ。

今の日本は後進国

経済成長との関連性が最も強い政策は何かと言うと「財政(政府)支出」である。政府がどれだけ支出をするかでGDP(国内総生産)の伸びが決まる。このことが経済の本質を知る上で最も重要なことである。日本の失われた30年間は財政支出の伸びが殆どなかったと言って良いだろう。給料の伸びも無く、教育レベル、技術力、生活水準が落ち込み、貧困層が拡大した。今の日本は後進国だ。

コロナ後の日本を新しく創り変える

中国やインド、イギリス、アメリカなどは大規模な財政出動を毎年行っているのでGDPの伸びも20年間で2倍以上、中国は9倍に拡大した。経済成長は企業の競争力を高め、国力を強める。つまり、国民を豊かにする。日本が30年間で失ったものはあまりにも大きい。
財政出動をタブー視する財務省と政府の責任は大きい。財政支出は日本の借金(赤字)ではない。政府が民間に仕事を与えることで支払われるお金は国民に渡る。財政支出は「国民黒字」なのだ。コロナ禍をチャンスと捉え財政支出をさらに拡大し、外需依存型から内需拡大政策に方向転換し、コロナ後の日本を新しく創り変える事が次世代の希望に繋がる。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はクオールHD(3034)、ブロードメディア(4347)、リプロセル(4978)

6月15日「潮流」3銘柄の解説|岡山 憲史【株式投資テレビ】も併せてご視聴ください。

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて約1万人の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催、ゴールドマン・サックス投信・クレディスイス投信・野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、
プロの運用担当者などを含む1万人以上の参加者を集めて実施。
コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)は日本株式市場がバブル後最安値を付けに行く最悪の環境にもかかわらず、
1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に殖やすという脅威の成績をあげ文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2ヶ月間で1億円の資金を2億1600万円に増加させ、6位入賞。
1999年12月8日にマーケットバンク設立。20年間にわたって株式投資で安定した高パフォーマンスを継続して出すことのできる
画期的な運用手法とサービスを提供している。

2002年1月にNHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
直近では2017年1月に始まった夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
1ヶ月間で3銘柄の合計パフォーマンスを競います。最終のパフォーマンスは155%と断トツの結果。
週刊現代、週刊ポスト、夕刊フジ、ネットマネー、月刊カレントなど幅広く執筆活動を行っている。
また、個人投資家に投資情報や個別銘柄の助言業務を行っている。




株式情報と相場見通し

限定銘柄情報が満載!「証券市場新聞 公式メールマガジン」

購読会員限定コンテンツ

Pocket

潮流|株式市場新聞

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次