歴史的な乱高下
4月第2週の東京市場は歴史的な乱高下となった。7日は中国が報復関税を発表したこと等を受けてパニック売りが加速し4日のニューヨーク市場でダウで2231.07ドル安、ナスダックとS&P500指数も6%前後の大幅続落となったことから朝寄りでは3万1000円を割れる展開で、歴代3位の下落幅を記録。その後は乱高下を繰り返しトランプ米大統領は9日、貿易相手国に対する相互関税について、国・地域ごとに設定した上乗せ部分を90日間停止すると発表したことでニューヨーク市場でダウが市場最大の上げ幅となったことを好感、10日に日経平均は前日比2894円97銭高の3万4609円00円で引けていた。
一旦は落ち着きを取り戻す?
相互関税の方針を変えないと豪語していたトランプ米大統領が方針を変えたのは、株価急落とともに米国債利回りが急上昇し、株が債券、ドルとともにトリプル安で金融恐慌になる懸念があったからだと言われている。本来、米国債市場は混乱から逃れる避難所となるはずだが、世界の資金が全て米国から引き上げる懸念が高まっていた。
週末のニューヨーク市場ではダウが619ドル高、ナスダックも2%、S&Pも1.89%の上昇となり、ナイトセッションの225先物も3万3720円の引けとなっていた。好決算の金融や素材とハイテクが大きく上げた流れを受けて週明けの東京市場も一旦は落ち着きを取り戻すことになりそうだ。
米国の政策当局は警戒感を高める
ホワイトハウスのレビット報道官が、「トランプ大統領は中国側との取り引きに前向きだ」という認識を示したことや、FRB高官が、必要であれば金融市場の安定化に向けた支援に乗り出す用意があるという考えを示した。その後、トランプ政権は、相互関税などの対象からスマートフォンといった電子機器を除外すると発表しました。中国からの輸入に大きく依存している商品を除外することで、アメリカ国内での価格の高騰をおさえるねらいがある。不安は解消されていないが、米国の政策当局が今回のトリプル安へ警戒感を高めているのは間違いなく、ハイテクの買い戻しから日経平均では3万1000円割れが目先の底であったことを期待したい。
関税の影響がでてくるのはこれから
今週は16日に3月の米小売り売上高が発表されるが、関税発動前の駆け込み需要で堅調な内容が予想される。同日の米3月鉱工業生産・設備稼働率を含めて重要指標の発表が相次ぐが、関税の影響がでてくるのはこれからであり、警戒感が払拭されないだろう。
国内では17日のディスコ(6146)を皮切りに3月期企業の決算発表がスタートする。トランプ関税の影響を懸念して各企業は次期の業績予想については慎重な内容になると思われる。引き続きトランプ大統領の発言に注視しつつ、業績面での警戒も怠れない。
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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