国内でも経済活動再開が鍵握る【記者の視点】

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仮に調整があっても再度暴落する懸念が後退

 5月第2週は2日間しか立ち合いがなかったものの、ゴールデンウィーク中の欧米市場の堅調な動きを受けて日経平均は2万円を回復した。
 欧米で経済活動再開へ向けて動き出してきたことやトランプ米大統領が7日に政権内で追加景気対策を検討していることを明らかにしたことが好感されている。懸念されていた原油価格については経済活動再開による原油需要回復から上昇に転じており、ファンドによる期近物に偏った運用方針が変更されたことにより、仮に調整があっても再度暴落する懸念が後退したことも心理的な安心感に繋がっている。

雇用統計は事前予想ほど悪化せず

 注目された4月雇用統計は非農業部門雇用者数が前月から2050万人減と、1930年代の大恐慌以降で最大の落ち込みとなったものの、エコノミスト予想の2200万人減ほど悪くない内容だったことから週末8日のニューヨーク市場はダウで455ドル超の大幅高となった。ナイトセッションの225先物は2万230円で引けており、週明けの東京市場は堅調なスタートが予想される。

続々と迎える有力企業の決算を注視

 一方、国内では緊急事態宣言が延長されたものの、新規感染者が減少傾向にあることから、今週は何らかのかたちで自粛の動きが緩和されることが株価の下支え要因になろう。今週は11日にロームやアサヒ、12日にキリンHDや資生堂やNE、13日にソニーなど国内の有力企業は続々と決算発表を迎える。多くの企業が今期予想について大幅減益もしくは非開示となるなかで、一株利益(EPS)の低下からPER面での割高感が高まってくる。欧米株の動きから過度な下値不安は後退しているものの、国内で経済活動再開の動きが見えない限りは日経平均では2万円超えから上値が重くなる動きが続きそうだ。

新興銘柄では?

 新興銘柄では指標的存在となっていたアンジェス(4563)が8日に2455円まで上昇した後に急落となり、さすがに値動きが荒くなってきた。PCR検査のプレシジョン・システム・サイエンス(7707)などへ個人の資金が移動しているが、実態以上に買われた銘柄は資金の移動が速そうだ。




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