― 日経平均は11月1日に1万7473円12銭まで上昇したが、その後はトランプリスクの再燃で大きく調整したね。上がれば強気、下げれば弱気になるのが投資家心理だけど、今後の株価動向をどう読んだらいいかな?
H 国内だけに限って見れば9月27日の1万6285円41銭あたりを底に大きな押し目を入れることなく上昇を続けていたことから、今回の大幅安は過熱感を冷ます意味では良い調整と見る向きもある。ただ、英国のブレグジットのようにどんでん返しがあるから、大統領選の結果を見るまでは、為替を含めて様子を見るしかないといったところかな。全般の地合いにツレ安した銘柄は押し目買い、純粋に内容が悪い銘柄は売りで対処だね。
― 悪い銘柄についてはS君が何か言いたそうだね。
S 某経済紙が小野薬品(4528)について、オプジーボの副作用の問題を掲載していたみたいだ。治療中の副作用として間質性肺疾患、重症筋無力症、筋炎、大腸炎、重度の下痢、神経障害、腎障害、副腎障害などを引き起こすケースがあることを自社サイトで報告しているが、記事では経営を揺るがす大きな問題に発展する可能性があるとしているらしい。
株価はオプジーボの薬価引き下げ報道が足かせになって、底練り状態が続いているが、9月16日につけた年初来安値2541円を割り込むようなら、一段安を覚悟せざるを得ない。押し目買いに信用買残の整理が進まないのが気になるね。
― 薬価引き下げだけでも不安な材料だっただけに株価の動きには注視する必要がありそうだね。あとは買いたい銘柄はないかな?
T 押し目買いできる銘柄ならやはりソニー(6758)だね。今期の業績を下方修正して売られたけど、その原因は電池事業を売却したことによるものであり、むしろ、構造改革を評価する動きがあってしかるべきだよ。
H 全般調整下でも踏ん張りを見せているのがコナミホールディングス(9766)だ。カジノ関連法案の審議が開始されたことことからその関連銘柄として引き続き注目されていることに加えて、モバイルゲームも「実況パワフルプロ野球」などが好調だ。今17年3月期は第2四半期で大幅な増益を達成しており、進捗状況から通期は上ブレが期待できそうだ。