テスラバブル【転ばぬ先のテクニカル】

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米国市場は明らかなバブル相場

米国市場は明らかなバブル相場でしょう。8日はそのバブルの象徴であるテスラ株が8.12ドル高(+1.27%)の649.88ドルで取引を終えていましたが、テスラは最大50億ドル(約5200億円)相当の普通株を売り出す計画を発表しています。通常のマーケットならば増資=株安です。株数が増加すれば一株利益が減少する訳で、成長が更に加速せねば理屈には合いません。

テスラ販売台数は年間50万台程度

テスラの電気自動車は確かに売れています。ただ、販売台数実績は昨年2019年で36万7500台に過ぎません。今年の7~9月期の販売実績も13万9300台なので、年間50万台を超えるくらいではないでしょうか。トヨタ自動車は年間約900万台販売しているので、その比ではありません。そして50万台くらいの販売では黒字化は難しいのです。

それでも5期連続黒字確保

しかし、テスラは5期連続で黒字を確保しています。それはテスラが他の自動車メーカーへの温暖化ガス排出枠(クレジット)の売却収入を計上しているからです。直近7~9月期のクレジットは4億2800万ドルにのぼっており、その結果1億400万ドルの最終黒字を確保しました。温暖化ガス排出枠収入が非常に大きなことが分かります。

S&P500指数に採用

自動車販売だけでは黒字化できない現状なのになぜ株価は上昇するのでしょうか。それは黒字化が定着したことでS&P500指数に採用されることが決まったからでしょう。指数組み入れは今月21日であり、当日に一括で採用されます。当初はテスラの時価総額が大きく、S&P500採用銘柄の上位7番目になるために、指数への影響が大きすぎるとして2回に分けて組み入れることが議論されておりましたが、結局一発組み入れとなりました。

組み入れ完了で利食いの可能性

そうなると指数連動型ファンドはテスラを組み入れる一方で、多数の銘柄をリバランス売却せねばならなくなります。そして組み入れが完了した段階で、指数連動型ファンドの買いを当てに先回り買いしていた投資家が一斉に利食い売りに向かう可能性が高まるものと思われます。このようなイベント通過で転換点を迎えるケースは多く、最近では2017年に先物取引を開始した途端に天井打ちから急落に見舞われたビットコインが思い出されます。

米国市場バブル転機迎えるかも

また、米国市場は3カ月ごとに第4金曜日がクアドルプル・ウィッチング、日本で言うところのメジャーSQがあり、今月25日がそれに相当します。積もりに積もった買いポジションが一斉に解消される可能性もあるため、今の米国市場バブルは今月第4週で転機を迎えるかもしれません。来週末まではリスクオンでも、その後は急激にリスクオフとなる可能性がありますので注意が必要でしょう。

日々勇太朗

相場見通し

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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